駿河若シャモの無投薬飼育における緑茶抽出物添加による効果


[要約]
抗菌性物質無添加飼料に緑茶抽出物乾燥粉末を0.05%添加して静岡型地域特産鶏肉駿河若シャモに給与すると、免疫増強効果が認められる。また経済性においても抗菌性物質添加区と差が無く、抗菌性物質の代替として利用できる。

[キーワード]駿河若シャモ、緑茶抽出物、免疫増強物質

[担当]静岡中小畜試・飼養技術研究室
[連絡先]電話 0537-35-2291
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地 (中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 BSEの発生や畜産物の偽表示等により消費者の「安全・安心」に対するニーズは非常に高まっている。そのような中、無投薬による地域特産鶏(駿河若シャモ)の生産技術の確立が養鶏関係者から要請されている。また、県特産である「茶」の有効利用についても茶業界からの強い要望がある。そこで、抗菌性物質の代わりに天然の免疫増強物質(緑茶抽出物)を飼料に添加して発育や免疫増強の効果を調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 駿河若シャモを対象として、緑茶抽出物0.05%添加区(以下緑茶区)、抗菌性物質添加区(以下抗菌区)及び無添加の飼料を給与した場合の17週齢での発育・栄養成績を比較すると有意差は認められない。しかし、緑茶区では夏季に生産指数が、冬季は出荷時体重において好成績が得られる(表1)。
2. T細胞依存性液性免疫効果の指標である羊赤血球凝集抗体価の比較においても有意差は認められないが、緑茶区で他区よりも抗体産生のピークが高く、抗体価も持続する。なお。雌雄間には差は認められない(図1)。
3. 肉質評価において、肉の明度及び赤色度に有意な低下が認められる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 成果を県内駿河若シャモ生産農家に普及し、無投薬飼育による付加価値生産を推進する。
2. 緑茶抽出物については、価格面や茶業界からの要望を考慮し、製茶工場等から出る茶残渣の利用検討が必要である。
3. 肉質評価において、肉の赤色度に有意な低下が認められたが、特に商品価値の低下をもたらす程ではなく、問題はないと考えられる。
4. 今後、緑茶抽出物に含まれるカテキンの抗菌作用としての効果と、今回得られた免疫増強作用との相加・相乗作用について検討が必要である。


[具体的データ]





[その他]
研究課題名:無投薬飼育管理による地域特産鶏肉生産技術の確立
予算区分:国補(先端技術等地域実用化研究促進事業)
研究期間:2002年〜2003年度
研究担当者:岩澤敏幸、池谷守司

目次へ戻る