名古屋種へのサトウキビ抽出物飼料添加によるコクシジウム感染予防効果


[要約]
サトウキビ抽出物を飼料添加(サ添加区)して、名古屋種のコクシジウム感染試験を行うと、オーシスト数2万個投与では、サ添加区及び対照区に死亡鶏が見られ、5千個投与では、サ添加区(0.05%)の増体は対照区に比べ良い傾向が見られる。

[キーワード]家禽、飼料添加、サトウキビ、抽出物、コクシジウム、感染試験

[担当]愛知農総試・畜産研究部・家きんグループ
[連絡先]電話 0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 農畜産物の「安全・安心」が強く望まれる中、抗菌性物質を添加しない地域特産鶏(名古屋種)の生産技術の確立が養鶏関係者から要請されている。一方、生産現場では地域特産鶏の長期の平飼い飼育でコクシジウム等の病原体による生産性阻害要因も問題となっている。 
 そこで、抗菌性物質の代わりに天然の免疫増強物質の一つであるサトウキビ抽出物を飼料に添加し、発育状況の調査やコクシジウムの感染予防効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 飼育条件は、名古屋種30羽(雄)を1群として、120日齢まで飼育する。サトウキビ抽出物添加区(サ添加区)では、1区は0.05%、2区は0.25%、3区は1%の割合で飼料に添加し、4区は抗菌性物質添加飼料(抗コクシジウム剤を含む)、対照区は抗菌性物質無添加飼料を給与する。また、サトウキビ抽出物は、きびしぼりEX(エキス20%含有、A社製)を用いる。生産指数では、1区及び2区のサ添加区は対照区よりも成績が良い(表1)。
2. 上記5区分の名古屋種各10羽(5週齢、雄5羽、雌5羽)にEimeriatenella のオーシスト(2万個)をそ嚢内に強制投与すると、サ添加区(0.05%、0.25%及び1%)及び対照区で1から2羽の死亡が見られ、投与1週間の増体重も抗菌性物質添加区に比べ悪い(表2)。
3. サ添加区(0.05%)、抗菌性物質添加区及び対照区の3区分の名古屋種各10羽(6週齢、 雄5羽、雌5羽)に弱感染としてE. tenella のオーシスト(5千個)をそ嚢内に強制投 与した時、サ添加区(0.05%)の盲腸病変に重度(病変スコア3及び4)の病態は見られない(表3)。
4. 投与1週間の増体重では、サ添加区は対照区よりも増体が良い傾向が見られる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 飼料添加をする場合、コスト等の問題で飼料会社との連携が必要であり、多くの生産現場で利用できるように実証試験が必要である。
2. コクシジウムの弱感染でも、サトウキビ抽出物添加区は抗菌性物質添加区に比べ発育が低い傾向である。


[具体的データ]





[その他]
研究課題名:無投薬飼育管理による地域特産鶏肉生産技術の確立
予算区分:国補(先端技術等地域実用化研究促進事業)
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:伊藤裕和、中谷 洋、市川 明、加藤泰之

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