みかん果皮給与によるβ−クリプトキサンチンを多く含む鶏卵の生産


[要約]
産卵鶏にペクチナーゼを加えた温州みかん果皮乾燥粉末を飼料の5%を代替して給与することにより、卵黄中にβ−クリプトキサンチンを5倍(約20μg/鶏卵)含む鶏卵を生産でき、飼料要求率が約9%改善される。

[キーワード]産卵鶏、ペクチナーゼ、みかん果皮、β−クリプトキサンチン、飼料要求率

[担当]三重科技セ・畜産研究部・中小家畜グループ
[連絡先]電話 0598-42-2207
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 β−クリプトキサンチンは主に柑橘類に多く含まれているβ−カロチンよりはるかに発ガン抑制活性が高い。一方、生産・加工場では、廃棄果実(果皮、搾汁粕)、摘果果実等が大量に処分され、これら廃棄果実等にもβ−クリプトキサンチン等の機能性成分が多量に含まれるが、ほとんど利用されていない。県内で最も生産量の多い温州みかんは、他品種に比べて果皮中のβ−クリプトキサンチン含量が最も多い。そこで、機能性成分を効率的に賦与することと飼料利用性を改善するため、ペクチナーゼを加えた温州みかん果皮を産卵鶏(41週齢の東紀州地どり)へ給与し、鶏卵へのβ−クリプトキサンチン移行及び産卵性等に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 温州みかん果皮は、通風乾燥し、粉砕後、酵素処理(飼料乾物あたりペクチナーゼ0.1%添加)を行い供試した。
2. 試験開始後、2週間目まで、みかん果皮給与により、卵黄中のβ−クリプトキサンチン含量が漸増し、みかん果皮2%添加区及び5%添加区で、対照区に対して各々約2倍及び5倍に達する(図1)。
3. 産卵成績は、みかん果皮添加区が対照区と比較して試験期間中の飼料摂取量が約6%少なく、産卵性にはわずかに影響がみられるが、増体重が低いにもかかわらず、卵重が大きくなる傾向がみられ、飼料要求率が改善される(表1)。
4. 卵質成績は、みかん果皮添加区が対照区と比較して、添加量が増加するほど、卵殻質及びハウユニットが改善される傾向がみられ、卵黄色はわずかに濃くなる傾向がみられる(表2)。
5. 以上のことから、ペクチナーゼを加えたみかん果皮を飼料の一部と代替して給与することにより、β−クリプトキサンチンを高濃度に含有する鶏卵を効率的に生産すること及び高品質な鶏卵生産が可能と考えられる。

[成果の活用面・留意点]
1. β−クリプトキサンチンは、分解しやすいので、給与直前まで遮光密閉保存する必要があり、みかん果皮の乾燥方法についても天日乾燥ではなく、通風乾燥等で行う必要がある。


[具体的データ]




[その他]
研究課題名:カンキツ等未利用資源を利用した地域特産機能性畜産物の開発
予算区分:県単
研究期間:2003〜2005年度
研究担当者:佐々木健二、巽俊彰、三島隆(三重大学)、後藤正和(三重大学)

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