細断型ロールベーラを利用した稲発酵粗飼料のTMRラップサイロの調製


[要約]
稲発酵粗飼料や各種飼料をミキサーで混合後、細断型ロールベーラに投入してベール成形し,自走式ベールラッパで密封処理することで高密度で均一なTMRラップサイロとして調製することができる。

[キーワード]細断型ロールベーラ、飼料イネ、発酵TMR、ラップサイロ

[担当]三重科技セ・畜産研究部・大家畜グループ
[連絡先]電話 0598-42-2029
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 稲発酵粗飼料の利用拡大を図るため、稲発酵粗飼料と牧乾草や配合飼料、食品製造副産物等と混合し、水分を40〜45%に調製して再貯蔵することにより流通可能な発酵TMRを調製する。現在、TMR供給センターにおける発酵TMR飼料の流通形態はビニールバックを内装したトランスバックが中心であるが、流通形態をラップサイロとした場合のTMRラップサイロ調製用プラントの開発を既存機械の有効利用を含めて検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 供試飼料の混合割合は、稲発酵粗飼料を現物当たり約30%(乾物で約20%)利用し、高水分の食品製造粕類等を利用しない場合、水分を40−45%に調製するためにはビートパルプに加水し混合する(以下、加水区)。また、食品製造粕類の利用として水分が77%の生豆腐粕を現物当たり約20%混合する場合には(以下,豆腐粕区)加水する必要もなくTMR全体の水分は約43%となる(表1)。
2. TMRをラップサイロに成形するための主な機械装備は混合機、細断型ロールベーラ、自走式ベールラッパであり全てが既存機械である(図1)。
3. ミキサーで混合したTMR(混合時間:15分)を細断型ロールベーラに投入すると、約75秒で質量が300kg/個程度の良好な形状のベールに成形され、損失率も極めて小さい。また、乾物密度は350kg/m3程度の高密度なベールとなるため、ベールラッパで密封して再貯蔵した発酵TMRの品質は良好である(表2)。
4. ミキサーで混合した飼料を再度、細断型ロールベーラで成形する過程において、素材の偏りが生じることが懸念されるが、ミキサーで混合直後のTMRと成形後のTMRラップサイロでは、水分や粗蛋白質のバラツキ程度(分散比の検定)に差が認められないことから、ベール成形する過程で素材の比重や長さ等によって特定の素材が偏ることはなく、非常に均一なTMRラップサイロとして成形できる(表3)。
5. 細断型ロールベーラで成形したベールの密封作業に機体寸法の小さい自走式ベールラッパを活用するこにより、TMR供給センター等の屋内作業において密封作業だけでなくラップサイロの運搬作業にも利用できる。

[成果の活用面・留意点]
1. TMR供給センターにおいて、既存機を利用したTMRラップサイロの成形に活用できる。
2. ベール内の均一性や発酵品質は混合する素材によって異なることがあり得る。
3. 細断型ロールベーラを野外(圃場)および屋内で活用するためには,トラクタ駆動とモータ駆動を併用できる構造に改良する必要がある。


[具体的データ]





[その他]
研究課題名:飼料イネのTMRロールベールサイレージ化による乳牛への給与技術の開発
予算区分:委託(ブランドニッポン)
研究期間:2003〜2005年度
研究担当者:浦川修司、山本泰也、吉村雄志、平岡啓司、乾清人

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