肥効調節型肥料を用いたスーダングラスの栽培技術


[要約]
肥効調節型肥料(被覆窒素肥料)を用い、全量基肥でスーダングラスを栽培すると、慣行施肥と比較して窒素施肥量を40%削減しても同程度の乾物収量が得られる。また、化成肥料由来の施肥窒素利用率が向上し、追肥作業が省略できる。

[キーワード]肥効調節型肥料、スーダングラス、施肥窒素削減、追肥省略、全量基肥

[担当]石川畜総セ・資源利用部・飼料環境科
[連絡先]電話 0767-28-2284
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 「安心・安全な畜産物」の生産が求められる中で、自給飼料の役割が年々大きくなっている。また、経営面においても環境保全型でゆとりのある畜産経営が求められている。そこで、肥効調節型肥料を用いて、窒素施肥量を削減しても十分な収量が得られ、環境負荷を軽減させ、追肥作業を省略できるスーダングラスの栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. スーダングラスの2回利用には、肥効調節型肥料(被覆窒素肥料)のリニア30日タイプ(LP30)とシグモイド80日タイプ(LPS80)を6:4の割合に混合して用いるのが有効である。LP30は1番草に、LPS80は2番草に必要な窒素成分を溶出する(表1)。
2. 乾物収量は慣行施肥と比較して、窒素施肥量を20%削減しても10%以上増収し、40%削減しても同程度の収量が得られる(表2)。
3. 慣行施肥と比較して化成肥料由来の施肥窒素利用率は向上する(表3)。
4. 肥効調節型肥料の価格は速効性肥料に比べ割高であるが、窒素施肥量の削減、追肥作業の省略による労働費の低減、収量の増加により、1kg当たり生産費は慣行施肥と同程度となる(表4)。
5. 飼料成分は窒素施肥量を40%削減しても慣行施肥と変わらない(結果は省略)。

[成果の活用面・留意点]
1. 追肥作業が省略できるため、スーダングラスを2番草まで利用する農家や大面積の栽培農家に活用できる。
2. 肥効調節型肥料は土壌と十分混和しないと効率的な肥効が期待できない。また、土壌条件(地力)等によって慣行施肥並の収量を確保する減肥限界量は異なる。


[具体的データ]





[その他]
研究課題名:肥効調節型肥料を利用した飼料作物の栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
研究担当者:荒邦昌宏、柴教彰、堀久夫、泉秀幸、表俊雄
発表論文等:柴(2002)北信越畜産学会報 85:18

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