火山灰土壌におけるニホンナシ「稲城」の特性


[要約]
火山灰土壌で栽培したニホンナシ「稲城」の果実は、沖積土壌での栽培に比べて小さいが、糖度には差が見られない。

[キーワード]ニホンナシ、稲城、火山灰土壌、果実重

[担当]東京農試・園芸部・果樹研究室
[連絡先]電話 042-524-3191
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 東京の代表的なニホンナシ品種である「稲城」(いなぎ)は、育成地でもある沖積土壌地域での栽培が主体である。「稲城」は他品種に比べて高単価で販売可能なため、火山灰土壌地域の産地でも導入を図っている。しかし、火山灰土壌地域の生産者の間では(1)食味が優れない、(2)果実が小さい、(3)果芯が大きい等の問題が経験的に指摘されている。そこで、長期的調査結果を基に、火山灰土壌地域における「稲城」の生態的特性・果実品質の特徴を、具体的データに基づいて明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 当場内の灰色低地土圃場(以下沖積土)と厚層多腐植質黒ボク土圃場(以下火山灰土)に、1年生の‘稲城’を1989年に定植(各3樹)し、調査に供した。
2. 火山灰土壌における開花盛期、収穫盛期、成熟日数は、いずれも沖積土壌と大きな差は認められない(表1)。
3. 果実重は火山灰土で有意に小さい(表2)。
4. 糖度、果芯径、その他調査項目には有意差は見られない(表2)。
5. 果実肥大曲線にも、土壌の違いによる差は認められない(図1)。
6. 以上から、火山灰土壌における「稲城」の生態的特性・果実品質に関しては、果実重が劣る以外に、沖積土壌との明瞭な差異を認めない。

[成果の活用面・留意点]
1. 糖度の差は統計的に有意ではなく、実際の食味は火山灰土壌で明らかに劣る。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:高品質安定生産技術の開発 (2)火山灰土壌における果樹生産技術の開発
予算区分:都単
研究期間:1989〜2002年度
研究担当者:川俣恵利、佐藤洋二、矢沢宏太、鈴木知古、神 雅子
発表論文等:

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