カルシウム剤葉面散布によるキウイフルーツ葉柄硝酸イオン濃度変化と果実糖度上昇


[要約]
キウイフルーツへの8〜9月、3回のカルシウム剤葉面散布により、その後の葉柄汁液中硝酸イオン濃度の上昇が抑えられ、11月上旬に収穫した果実の追熟前、追熟後の果実糖度が上昇する。

[キーワード]キウイフルーツ、葉面散布、カルシウム剤、硝酸イオン濃度、果実糖度

[担当]神奈川農総研・生産技術部
[連絡先]電話 0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 神奈川県のキウイフルーツは、県西部を中心に168ha栽培されている。果実は、11月上旬に収穫後、低温貯蔵され、西日本産が品薄になる翌年3月から5月を中心に出荷されている。産地からは高価格販売のため、糖度の高い果実の安定生産技術が求められている。そこで、葉柄汁液中硝酸イオン濃度を指標とした栄養診断技術により、診断した果実糖度を改善する栽培管理手法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. カルシウム剤(CaO 35%含有、400倍希釈)を2002年8月22日、9月2、17日の計3回 、1樹当たり10L、葉の表裏に散布した。無処理区の葉柄汁液中硝酸イオン濃度は生育が進むにつれ上昇するが、カルシウム剤散布区の濃度上昇は抑えられる(図1)。
2. 2003年はカルシウム剤濃度35%(CaO 35%含有、400倍希釈)と13%(CaO 13%含有、500倍希釈)を使用し、2003年8月7日、20日、9月1日の計3回、同様に葉の表裏に散布した。前年同様、葉柄汁液中硝酸イオン濃度は、無処理区で生育が進むにつれ上昇したが、35%散布区の濃度上昇は9月中旬まで抑えられる(図2)。
3. 果実品質は、2002年カルシウム剤散布区の追熟前、追熟後の果実糖度が増加し、有意差が認められ、2003年も同様にカルシウム剤散布区35%の追熟前、追熟後の果実糖度が1%前後増加し、再現性が認められる(表1)。
4. 3回目のカルシウム散布後、9月5日に採取した果実中のカルシウム含量は、無処理区の0.14%に対し、カルシウム剤散布区35%、13%がそれぞれ0.20%、0.19%と高くなる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. カルシウム剤35%(商品名:セルバイン)のキウイフルーツに対する8〜9月、3回の葉面散布について、植調剤としての登録は現時点ではとれていない。
2. 葉柄汁液中硝酸イオン濃度と果実糖度の関係については、収穫期において葉柄硝酸イオン濃度と追熟果糖度との間に負の相関があると報告されている(野田ら 香川県農業試験場1991)。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:温州ミカン及びキウイフルーツの樹体栄養測定法の確立とそれに基づく高品質、安定多収技術(先端技術等地域実用化研究促進事業)
予算区分:国補
研究期間:2000〜2003年度
研究者担当名:柴田健一郎、川嶋幸喜、北尾一郎

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