冬期葉中カリウム濃度によるウンシュウミカン「大津4号」の着花量予測


[要約]
大津4号の3月1半旬の葉中カリウム濃度から、着花量を推定できる。また、葉を採集した前後2ヵ年の収量の変動値と葉中カリウム濃度の関係から、規格外の大果比率を下げる樹体、結実管理方法を判定できる。

[キーワード]ウンシュウミカン、大津4号、隔年結果性、カリウム、着花予測

[担当]神奈川農総研・根府川試験場
[連絡先]電話 0465-29-0506
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 神奈川県の主力品種である「大津4号」は高糖度という利点を持つ一方、他のウンシュウミカンに比べ、著しく強い隔年結果性を示し安定生産が難しい。隔年結果性は、生育期の樹体栄養、冬期の貯蔵養分量に大きく影響を受けることから、大津4号の冬期の樹体栄養と翌春の着花量の関係を明らかにし、葉分析による着花量予測技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. 成木44樹について、3月1半旬に未結実の春枝中位から1樹当たり20葉を葉柄のついた状態で採集してカリウムの濃度を測定すると、葉中カリウム濃度と翌春の着花率には正の相関が3ヵ年続けて認められ(図1)、当年の着花量を推定が可能である。
2. 現地生産者の圃場でも、同様の結果が得られる(図2)。
3. 着花率のIからIIIと3L以上の規格外の大果割合との関係を見ると、Iは低収量で 大果が10から40%、IIは中程度の収量で大果5から25%程度、IIIは高収量で大果が10%以下に分類できる(図3)。
4. 冬期葉中カリウム濃度からも、IからIIIの着花程度に分類することできる(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 葉中カリウム濃度を0.9〜1.2%程度に維持すると収量変動は小さくなるが、着花程度はIIの区分となって規格外の大果が10〜40%も生産され、生果出荷率が低下しやすい。顕著な大果傾向がみられる場合は、群状結実の着果管理を行うか、あるいは隔年交互結実栽培に移行する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ウンシュウミカン及びキウイフルーツの樹体栄養測定法の確立とそれに基づく高品質・安定多収生産技術
課題ID:
予算区分:国庫
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:浅田真一、鈴木伸一、鈴木誠、佐々木晧二、真子正史
発表論文等:浅田真一 他 2002 園芸学雑誌 71別(2):309.

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