早生で食味に優れたモモ新品種「夢しずく」


[要約]
モモ新品種「夢しずく」は、「ちよひめ」に「八幡白鳳」を交雑し育成した早生品種で、成熟期が「日川白鳳」と「白鳳」の中間である。大玉で糖度が高く、着色も良い。

[キーワード]モモ、新品種、夢しずく、早生品種

[担当]山梨果試・育種部・落葉果樹育種科
[連絡先]電話 0553-22-1921
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 山梨県では、「白鳳」の前に収穫できる食味、栽培性に優れた品種開発への要望が強い。このことから、大玉で品質の優れた早生品種の育成を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 「夢しずく」は1990年に極早生種で食味、着色の優れた「ちよひめ」に7月中旬に収穫される「八幡白鳳」を交雑して得られた実生から育成した品種である。早生品種で食味が優れていることから、2001年11月、品種登録の申請を行った。現在登録申請中である。
2. 樹勢は中程度で、花芽の着生は多いが花粉は無い。開花期は「白鳳」より2〜3日早い。(表1)。
3. 育成地(山梨県山梨市:標高440m)における収穫時期は7月上中旬で、「日川白鳳」より一週間程度遅く、「白鳳」より10日ほど早い早生品種である(表1)。
4. 果実重の平均は300g程度となり、早生品種としては大玉で、玉揃いは良い。果形は扁円形で、着色も比較的容易である(表1図1)。
5. 糖度は平均14(Brix)程度と高く、肉質が密で果汁も多く食味に優れる。果肉は白色で、少し紅色素が入る。核割れの発生は少ない。また、年により渋味を感じる(表1)。
6. 無袋栽培では、果点や微裂果が発生する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「日川白鳳」と「白鳳」の間に成熟期となり、大玉で食味に優れた早生品種として有望である。
2. 人工受粉による結実確保が必要となる。
3. 有袋栽培を基本とする。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:モモ新品種の育成
予算区分:県単
研究期間:1988年〜
研究担当者:手塚誉裕、雨宮秀仁、櫻井健雄、窪田友幸、猪股雅人、富田 晃、菊島昭子
      鶴田富雄、佐藤俊彦、遠藤 久、片岡(山内)一恵
発表論文等:1)手塚ら (2001) 品種登録申請
      2)手塚ら(2003)園学雑72(別1):64.

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