イヌを利用した果樹の猿害防止策


[要約]
イヌを果樹園とサルの進入口の間に移動可能な形で係留するか、フェンスで囲った果樹園内にイヌを放し飼いにすることでサルの食害を防止できる。

[キーワード]獣害、猿害、イヌ、サル、果樹

[担当]三重科技セ・農業研究部・紀南果樹研究室
[連絡先]電話 05979-2-0008
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年の果樹園における獣害は、イノシシ、ニホンザル(以下サル)による食害が中心で、全国各地で発生している。イノシシは果樹園の周囲をトタン柵や電気牧柵機を張り巡らすことにより防ぐことが可能であるが、サルには効果が少ない。そこで、サルが嫌がると思われるイヌを果樹園に係留、または放し飼いにすることでサルによる食害を防止する。

[成果の内容・特徴]
1. サルの進入口とビワとの間にワイヤーを張り、中型犬(体重約20kg、「ボーダーコリー」)をワイヤーに沿って移動できるようにサルの活動時間の日の出から日の入りまで係留することで、サルによるビワの食害を防止できる(図1表1)。
2. サルの集団代表に電波発信機を取り付け、サルからその移動情報を得て、サルが近づいた場合だけに係留またはイヌを放すことで、より効率的にサルの食害を防止できる(図2表1)。
3. 高さ2m程度の金網フェンスで囲ったナシ園内にイヌを日の出から日の入りまで放し飼いにすることで、サルによるナシの食害を防止できる(図1表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. サルによる果樹園での食害防止対策として利用できる。
2. 電波発信機のサルへの取り付けは、自然環境関係行政機関等との事業連携を図る。
3. 夏場はイヌが脱水症状を起こさないように、日陰と十分な水を与える必要がある。
4. イヌが逃げ出さないように注意する必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:シープドッグによる果樹の鳥獣害防止法
予算区分:県単
研究期間:2001〜2002年度
研究担当者:市ノ木山 浩道、鈴木 賢、竹内 雅己
発表論文等:市ノ木山・鈴木(2003)園芸学雑誌72(別2):348

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