干し柿用品種「三社」に適した受粉専用品種「久目丸」


[要約]
富山県内から探索された品種登録されたカキ「久目丸」(くめまる)は、雄花の着生が容易で安定している。また開花期間も長いため、干し柿品種「三社」の受粉専用品種に適している。

[キーワード]カキ、久目丸、新品種、受粉樹

[担当]富山農技セ・果樹試
[連絡先]電話 0765-22-0185
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 富山県の代表的な特産物である「富山干柿」の原料柿「三社」は、種子形成力、単為 結果力ともに弱く、受粉用品種として「禅寺丸」を導入し結実安定を図っている。しかし「禅寺丸」は雄花着生までの年数が長いこと、樹勢が強いと着生が少ないこと及び開花期の高温・低温年には開花時期が合わないこと等の問題がある。
そこで、平成2・3年度の2年間にわたって、県内のカキ生産地域及び県外から雄花の着生しやすい自生種・品種(19種)を収集し、「三社」に適した受粉専用品種を選抜した。

[成果の内容・特徴]
1. 「久目丸」は平成2年に富山県氷見市の柿園から発見された偶発実生で、平成12年に品種登録された。   
2. 接ぎ木した翌年から多数の雄花が着生し、1m以上の結果母枝にも多数着生する。
3. 雄花の満開期は、「禅寺丸」とほぼ同時期であるが、開花期間が長いため、「三社」の開花期を包含できる(表1)。
4. 花性のほとんどは雄花で、わずかに完全花が着生する(表3)。
5. 雄花1花当たりの花粉量は「禅寺丸」に比べて少ないが、花粉の発芽率は50%以上であり、「三社」と結実親和性は高い(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 雄花の着生過多により樹勢が低下しやすいので、強剪定を行う。
2. 接ぎ木当年の新梢に雄花が着生した場合、新梢の生育促進のために摘蕾を行う。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:カキ「三社」の生産安定試験
予算区分:県単
研究期間:1990〜2003年度
研究担当者:新山敏昭、土井祐樹、河村健、大城克明、濱谷聡志 
発表論文:平成12年3月30日品種登録

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