マリーゴールド品種の播種時期と開花特性


[要約]
6月中旬から8月中旬に播種するフレンチ系マリーゴールド(Tagetes patura L.)のポット栽培では、主茎頂花が開花せず、開花までの日数が長くなる品種が多いため、品種選択が重要である。アフリカン系(T. erecta L.)品種はフレンチ系に比べて開花は安定している。

[キーワード]フレンチマリーゴールド、アフリカンマリーゴールド、品種、播種時期

[担当]東京農試・江戸川分場
[連絡先]電話 03-3679-1458
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 需要地の中にある東京都内の花き生産では、予約・注文に対応可能な生産技術の確立が必要である。そこで、春〜秋季に花壇苗としての需要が多いが、特に夏季栽培では播種時期によって出荷時期が変動して問題になっている、フレンチ系およびアフリカン系マリーゴールドについて、品種毎の主茎と側枝の開花特性に及ぼす播種時期の影響を明らかにし、品種選択の基準とする。

[成果の内容・特徴]
1. フレンチ系品種「エロージャケット」は、5月1日と9月1日播種に比べ、7月14日と8月1日播種の作型では、鉢あたり開花数が顕著に少なく、ほぼ無開花になる。また、5月1日播種と比べ、7月14日と8月15日播種の作型では、播種から第1花開花までの日数(以下、到花日数)が増加する(図1)。
2. フレンチ系品種は、6月中旬から8月中旬まきの作型で、主茎頂花の未開花が多発する傾向があり、その発生率には品種間差がある。特に、「エロージャケット、オーロラエロー、サファリエロー」は、発生率が高い(表1)。
3. アフリカン系品種も、6月中旬から8月中旬まきの作型で、主茎頂花の未開花が増加する傾向があり、品種間差異がある。しかし、その発生率はフレンチ系品種に比べ少ない。特に「アンティグア エロー」は、播種日に関わらず、主茎頂花の未開花は、ほとんど発生しない。(表2)。
4. 「アンティグア エロー」は、6月中旬から8月中旬播きの作型でも、到花日数が増加しにくい品種である。いずれの播種日においても、主茎頂花の蕾着色始日から開花始日までの期間は短いが、開花始日から開花終日までの期間が長く、また主茎開花終了以前に側枝開花が始まる傾向が強い。これは、開花株での出荷に適した特性である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 東京都江戸川区の屋外栽培にて実証したデータである。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:「江東地域の特性を生かした鉢花・花苗生産による地域ブランド商品の開発」
予算区分:都単  
研究期間:2000〜2002年度  
研究担当者:田旗裕也

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