バラ新品種「湘南キャンディピンク」、「湘南キャンディルージュ」


[要約]
「湘南キャンディレッド」の自然突然変異系統である「湘南キャンディピンク」および「湘南キャンディルージュ」は、花色がピンク色(鮮紫ピンク、明紅)で、オリジナル品種と同様、花形・草姿に優れたスプレータイプのバラ新品種である。

[キーワード]バラ、新品種、湘南キャンディピンク、湘南キャンディルージュ、

[担当]神奈川農総研・生物資源部
[連絡先]電話 0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 バラは、花き栽培の主要な品目であるが、価格の低迷、産地間競争の激化、輸入量の増加等により生産状況は悪化しており、経営改善を図るためにも、独自の品種を育成することが必要となってきている。神奈川県育成の「湘南キャンディレッド」は、花形・草姿が良く、生産性が高いことから、切花用品種として広く栽培され始めている。自然突然変異により得られた花色が異なる「湘南キャンディピンク」および「湘南キャンディルージュ」も、同様に安定した生産と幅広い消費が期待される。

[成果の内容・特徴]
1.  育成経過
 2001年1月、茅ヶ崎市の生産者ガラス温室内において、当所育成「湘南キャンディレッド」の現地試験ほ場の中から、オリジナル品種と異なる花色の自然突然変異(枝変り)2系統が出現した。
2.  品種の特性
(1)「湘南キャンディピンク」
花色は花弁表面が鮮紫ピンク(花色は日本園芸植物標準色票による)、裏面がピンク白である。花形は半剣弁カップ咲きで、花の大きさは花径6.7cm、花の高さ3.4cm、花弁数は36.2枚で、オリジナルの「湘南キャンディレッド」とほぼ同等である。1茎の花数(側蕾を含む)は6輪程度で、オリジナル品種と同様に側蕾は少なく、花の高さが良く揃う。花茎はやや軟らかく、長さは65cm、花柄は9cm程度で長い。
(2)「湘南キャンディルージュ」
花色は花弁表面が明紅、裏面が鮮紫ピンクである。花形は半剣弁カップ咲きで、花の大きさは花径6.1cm、花の高さ3.2cmでオリジナルに比べてやや小さい。花弁数は41.2枚で、ほぼ同等である。1茎の花数は4〜5輪で、オリジナル品種と同様に側蕾が少なく、花の高さが良く揃う。花茎は硬く、長さは58cmでやや短い。

[成果の活用面・留意点]
1. 品種登録を出願しており、栽培には神奈川県との許諾契約が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:かながわらしい特産品の開発
交雑・選抜育種による新品種の育成
バラの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:2002年度(1987年〜)
研究担当者:原 靖英
発表論文等:品種登録出願日2003年9月19日、出願番号第16076号(湘南キャンディピンク)、第16077号(湘南キャンディルージュ)

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