シネンシス系ハイブリッドスターチスの夏秋期出荷技術


[要約]
寒冷地から寒地でシネンシス系ハイブリッドスターチス「キノブラン」、「キノセリーズ」の低温遭遇苗を3月〜4月下旬に定植し、無加温栽培すれば、1番花を6月〜7月、以後2番花を10月までの期間に出荷することができる。

[キーワード]シネンシス系ハイブリッドスターチス、低温遭遇苗、夏秋期出荷

[担当]長野野菜花き試・花き部、農事試原村試験地
[連絡先]電話 026-278-6848
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 シネンシス系ハイブリッドスターチスは、一般に一季咲き性が強く、開花期は5、6月に集中するため、販売価格の低下や出荷期の労力集中が規模拡大の妨げになっている。既に3、4月出荷が可能となっているが、より作期拡大が望まれる。そこで、夏秋期の生育が比較的良好で、宿根性のキノシリーズについて低温遭遇苗による生育開花反応を検討し、夏秋期出荷技術の確立を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 寒冷地である野菜花き試(標高346m)における1番花の切り花日は、3月定植で6月、4月定植で6月下旬〜7月上旬、5月定植では7月となる。但し、5月定植では抽台しない株や、抽台の遅れが発生する株がある。切り花品質は、定植期が早い3、4月定植が良い(表1)。
2. 同地での2番花以降の切り花期は、両品種とも7月〜10月の期間となる。切り花本数は、3月定植、4月定植の順に多い。切り花品質は、1番花に比べて軟弱となる。「キノセリーズ」の方が切り花長の60cm以上の比率が高い(表2)。
3. 寒地である農事試原村試験地(標高1017m)における1番花の切り花日は、3月定植で6月下旬〜7月上旬、4月定植で7月となる。5月定植では、両品種とも抽台日がばらつき、切り花期は遅れる。切り花品質は、両品種とも3、4月定植において寒冷地より良好である(表1表3)。
4. 寒地における2番花の切り花期は、3、4月定植で8月〜9月となる。切り花品質は1番花に比べて軟弱で劣る。切り花長は寒冷地より長く良好である(表3、データー一部略)。
5. 以上より、寒冷地から寒地でシネンシス系ハイブリッドスターチス「キノブラン」、「キノセリーズ」の低温遭遇苗を、図1の作型のように3月〜4月下旬に定植し、無加温栽培すれば、1番花を6月〜7月、以後2番花を10月までの期間に出荷することができる。切り花品質は1、2番花ともに寒地の方が良好である。

[成果の活用面・留意点]
1. 低温遭遇苗は低温下で育苗された苗であり、春季に販売されている。本作型は低温遭遇苗の利用が前提なので、苗購入時には育苗前歴を確認する。
2. 購入した苗は、直ちに植え付けるのが望ましいが、定植まで期間がある場合は、光の良く当 たる風通しの良い場所に置く。
3. 定植後に高温、乾燥、換気不良等で生育が停滞するような状況になると脱春花と思われる現 象により抽台しないことがあるので注意する。
4. 本品種は切り花収穫後も株が残るので無加温状態で越冬させれば翌年6月以降の出荷が 可能である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:地域農業に適合する花きの作型・作付け体系
予算区分 :県単
研究期間 :2000年〜2003年
研究担当者:小野佳枝、荒井好郎、中澤伸夫、原廣美、林弘旦

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