コンダクションチューブ冷却による秋切りトルコギキョウの品質向上技術


[要約]
夏期定植のトルコギキョウに、定植直後から短日処理を40日間行い、コンダクションチューブによる冷却処理を併用することにより、秋切り栽培の品質が向上する。

[キーワード]トルコギキョウ、コンダクションチューブ、冷却処理、短日処理、品質向上

[担当]岐阜県農技研・育種部
[連絡先]電話 058-239-3132
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 夏期の高温長日期にトルコギキョウを定植し、品質向上のため短日処理を行うと、トンネル内が高温になるため、多くの品種がロゼット化する。この防止には、短日処理期間中の栽培温度の降温が必要となるが、現状ではあまり有効な手段がない。今回、熱交換性に優れるコンダクションチューブ(以下Cチューブと略)を用いて短日処理期間に冷却処理を行い、ロゼット化回避と切り花品質の向上について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. Cチューブは、熱交換性に優れる二重構造をしたパイプで、内側の管に冷水を通し全体を冷却させることでCチューブ周辺の温度を下げる。Cチューブは下半分が地中に、上半分が地表に出るようにして、畝の中央に1本設置する。定植直後から40日間、昼夜10℃の冷水を1分あたり3リットル流し、併せて午後5時から午前8時まで短日処理を行う(図1)。
2. Cチューブ冷却短日処理は、日中の降温効果は認められないが、短日処理中のトンネル内降温効果が高く、短日処理中の気温は無処理区より2.4℃、短日区(Cチューブなし)より5℃低下する(図2)。
3. Cチューブ冷却短日処理の平均地温は23.2℃で、短日区に比べ8.3℃低く、地温の降 温効果は高い(図2)。
4. Cチューブ冷却短日処理は、ロゼット性が強い品種に対して、特にロゼット化回避の
効果が高く、切り花品質も著しく向上させる。また、ロゼット性が弱い品種では、ロゼット化に変化は見られないが、切り花品質を向上させる。(表1、表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 短日処理はホワイトシルバー等の遮熱性に優れる資材を用いるとともに、トンネルの高さをできるだけ低く(20cm程度)して短日処理トンネル内空気の効果的な冷却を図る。
2. 適応品種と生産コストの検討が必要である。
3. Cチューブは長さ6mで、1本約20,000円である。主に暖房用に使われているが、本試験で示したように冷房用としても使用できる。

[具体的データ]
 
1.チャンバー 2.コアパイプ 3.作動液 4.ウィック 5.キャップ 6.シール材 7.排気口 8.フランジ 9.シール材
図1 コンダクションチューブの構造 と設置状況
 
図2 処理による気温と地温の変化 ( 地温:深さ5cm、2002.8.5〜7測定)
 
 1 苗冷蔵処理済の苗を7月16日に定植、定植直後から40日間短日処理を行い、その後は自然日長・自然温
   度で管理。切花適期の区から順次調査し10月30日を調査最終日とした。
 2 開花日:開花株率が50%を越えた日
 3 ロゼット指数:甚(5)〜無(1)
 4 ロゼット化した株が多く、調査最終日でも開花株率が50%未満だったため、開花日が特定できなかった。

[その他]
研究課題名:花きの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:2001〜2002年度
研究担当者:宇次原 清尚、三輪 俊貴

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