葉鞘が太く、発色が優れる赤ネギ新品種の育成


[要約]
赤ネギの新品種「茨城園研1号」を育成した。在来の赤ネギは分けつ性が強いのに対して、本品種は分けつが少なく、葉鞘が太くなる。また、葉鞘は濃い赤紫色を呈し、外観が極めて優れ、柔らかく、食味も良い。葉鞘の発色が安定していて作りやすい。

[キーワード]赤ネギ、茨城園研1号、在来系、分けつ性

[担当]茨城農総セ園研・野菜研究室
[連絡先]電話 0299-45-8341
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
「赤ネギ」は葉鞘部が赤紫色に発色し、柔らかく食味も優れる本県在来種で、地域特産物として珍重されてきた。近年、これを素材とした品種が育成され、種子が容易に入手できるようになり、全国的に知られるようになっている。
しかし、これまでの品種は分けつ性が強く、これが生産を不安定にする要因の一つであるので、在来系統の選抜及び白ネギとの交雑等により、葉鞘が太く、発色の安定した赤ネギ品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 昭和59年桂村より導入した在来「赤ネギ」の系統選抜を行った。その中で葉鞘部の発色が優れ、葉鞘の太さが中位の系統「A3中」を「長悦」に交配した。さらに、「赤所内系」を交配し、その種子に軟X線10KRを照射し、優良系統を選抜した。現在、自殖6代で、固定した(図1)。
2. 分けつが少ないため1株重は小さいが、1本当たりの重量は「べにぞめ」と比較して大きい(表1)。
3. 葉長及び葉鞘は長く、太い。葉鞘に占める赤紫色の発現部割合は80%以上になり、発色のばらつきが極めて少ない(表1表2)。
4. 葉鞘のL*a*b*表色は「べにぞめ」と比較して、L*(明度)及びa*b*(色度)がやや小さく、濃い赤紫色である(表2)。
5. 出蕾は「べにぞめ」と比較して、4日程度遅い(データ省略)。
6. 「べにぞめ」と比較して、調製後の形状・色沢等の外観は優れる。生食及びブランチングでの甘味は同等であるが、柔らかさがあり、食味は良好である(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 一般的な「白ネギ」と比較して生育が緩慢であるため、秋播きとし、4月に仮植・養成し、6月にできるだけ大きな苗(30cm〜40cm程度)を定植する。
2. 栽植距離は株間15cm×畝間90cm、施肥量は10a当たり約25kgとして、窒素過多を避ける。収穫は低温期の12月〜3月とする。他の栽培管理は「白ネギ」に準じて行う。


[具体的データ]

 

[その他]
研究課題名:赤ネギ新品種の育成
予算区分:県単
研究期間:2001〜2005年度
研究担当者:貝塚隆史、鈴木雅人

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