ハウス軟白ねぎの9月播き春どり栽培の抽だい抑制法


[要約]
ハウス軟白ねぎ「東国」の9月播き栽培で発生する春季の抽だいは、16時間日長の電照と15℃加温で抑制できる。これにより、可販収量が増加するとともに栽培期間が短縮され、1ハウス年2作栽培が可能になる。

[キーワード]ハウス軟白ねぎ、9月播き春どり、抽だい抑制

[担当]栃木農試・黒磯分場
[連絡先]電話 0287-62-0209
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 パイプハウスを利用した高品質の軟白ネギ栽培が栃木県北を中心に行われており、施設の効率利用と経営安定を目指して高品質、周年出荷を目標にしている。しかし、9月播き春どり栽培では4〜6月ごろの抽だいの発生による品質低下が問題になっている。
 そこで、抽だいしやすいが食味の良いハウス軟白ネギ「東国」に対する日長と加温の影響について検討し、抽だい抑制法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 抽だいしやすいが食味の良いハウス軟白ねぎ「東国」の花芽分化及び抽だいは、長日と加温処理で抑制できる(図1図2)。長日処理は、地表面の照度が50lx以上で16時間日長とし、加温温度は15℃が有効である。
2. 抽だいしやすい4〜6月収穫は、生育期間が最も長い作型であるが、長日と加温処理により、草丈や葉鞘部の伸長を促進し、在ほ日数が短縮されるので(図3表1)、ハウス年2作栽培が可能になる。
3. 加温処理は、光熱費の経費がかかるが、収量が多く粗収益が高くなる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 普及対象地域は県内全域。
2. パイプハウスの暖房方法に工夫が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ハウスネギの抽だい抑制技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2000〜2001年度
研究担当者:室越宗夫、吉原 泉

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