ワタアブラムシ抵抗性アールス系メロン新品種「久愛交1号」の育成


[要約]
ワタアブラムシ、うどんこ病新レース(レース2)及びつる割病(レース0、2)に抵抗性のアールス系メロン新品種「久愛交1号」を育成した。

[キーワード]ワタアブラムシ、うどんこ病新レース、つる割病、アールス系メロン

[担当]愛知農総試・園芸研究部・野菜グループ
[連絡先]電話 0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ワタアブラムシはメロンに寄生吸汁し、生育阻害を引き起こすほか、すす病の誘発あるいはウィルス病を媒介するなど、生産に影響を与える重要害虫のひとつである。特に、半促成栽培における5月あるいは抑制栽培における8月下旬〜9月中旬に発生が多い。今日、安全安心なメロン生産が求められており、ワタアブラムシ防除のために、化学農薬に代わって天敵の利用等も検討されているが、いまだ十分な成果は得られていない。そこで、わが国で初めてワタアブラムシ抵抗性(縮葉耐性、増殖抑制型)を有し、うどんこ病新レース(レース2)とつる割病(レース0、2)抵抗性を併せ持つアールス系メロンを育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 愛知農総試は、平成9年「夏系7号」に「クレスト夏系」を交雑し、その後代から「愛知3号」を育成した。野菜茶研は、「メロン中間母本農3号」の姉妹系統から「AR91−2」を育成した。平成11年に両系統を組み合わせたF1系統「久愛交1号」は、ワタアブラムシ、うどんこ病、つる割病に抵抗性を持ち、果実の外観品質及び内部品質ともに優れるアールス系メロン品種として有望と評価されたので 育成を完了した(図1)。
2. 「久愛交1号」は、「アールス雅」に比べてワタアブラムシの寄生頭数が少なく、それによる葉の縮れはない。うどんこ病(レース2)に対しては、「久愛交1号」は葉の表面の一部にわずかに発病する程度で、実用上充分な抵抗性を示す。つる割病(レース0、2)については、全く発病せず強い抵抗性を示す(表1)。
3. 「アールス雅」に比べて、生育初期の草丈が高く、葉はやや大きい。茎の太さは同程度である。雌花の着生は優れる(表2)。
4. 果形は球形で、平均果重が2.47kg、果皮色は灰緑色である。ネットの盛りが高い。果肉色は黄緑色で、肉質がやや粘質、香りが強く、食味は良である。糖度は13.8と高い(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「久愛交1号」は、日持ち性が5〜7日程度で、従来品種に比べてやや短く、ワタアブラムシの発生が多い半促成栽培、抑制栽培に適する。
2. 栽培条件によっては、果実の肥大がやや劣る。交配完了後果実肥大初期及び横ネット発生期のかん水量、湿度管理に留意する。
3. 平成16年に登録出願し、種子の供給を開始する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:病害虫複合抵抗性温室メロンの育成、メロン久愛交1号の特性検定・系統適応性検定試験
予算区分 :特検、愛知農総試産学官連携試験研究
研究期間 :1997〜2003年度
研究担当者:大薮哲也、矢部和則、菅原眞治、坂田好輝(野茶研)、杉山充啓(野茶研)、森下昌三(野茶研)

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