メロンうどんこ病菌レース1およびN1抵抗性母本‘P29’の育成


[要約]
うどんこ病罹病性の優良アールス系母本と抵抗性母本WMR29を交雑して、うどんこ病抵抗性系統を選抜し、自殖により育成した母本が‘P29’である。

[キーワード]メロン、うどんこ病抵抗性、母本、交雑育種、WMR29

[担当]茨城農総セ・生工研・野菜育種研究室
[連絡先]電話 0299-45-8330
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
うどんこ病はメロンの重要病害であり、うどんこ病抵抗性品種の育成は重要な育種目標である。メロンのうどんこ病菌にはレースが存在し、メロンの判別系統に対する罹病性、抵抗性の反応から判別することができる。うどんこ病の県内発生レースを調査したところ、複数レースの発生が確認された。
そこで、アールス系などの優良であるがうどんこ病抵抗性をもたない系統に、うどんこ病菌の複数レースに対する抵抗性をもつ系統を交雑し、抵抗性品種育成のための抵抗性母本を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. うどんこ病抵抗性母本‘P29’は、うどんこ病罹病性の優良アールス系母本と抵抗性母本WMR29(レース1、N1、N2に抵抗性)を交雑し、自殖によりF7世代を経て育成したものである(図1)。
2. ‘P29’のうどんこ病抵抗性は検定した14個体全てがレース1とN1に抵抗性を示すことから、レース1とN1に対する抵抗性をホモで有している(表1図2)。
3. ‘P29’を片親にして、P1、P4(それぞれ優良低温肥大性母本)、P19、P21(優良アールス系母本)の4系統との交配により交雑F1を作出できる。
4. 交雑F1系統を半促成栽培で栽培し、果実形質を調査すると、果実の外観が良く、肥大の優れる系統がある(表2図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. WMR29の遺伝解析の結果、レース1抵抗性には優性1遺伝子、レースN1抵抗性には2遺伝子以上の補足遺伝子が関わっていることが示唆された。うどんこ病菌レース1、N1抵抗性をホモでもつ‘P29’を片親にすれば、レース1、N1抵抗性の優良なF1品種の育成が期待できる。
2. ‘P29’は果実の日持ちが若干悪いため、日持ちの良い片親と交配する必要がある。
3. 中間母本登録については市販品種との抵抗性の相同性を調査の上判断したい。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:メロンうどんこ病抵抗性母本の作出
予算区分:県単
研究期間:1997〜2002年度
研究担当者:葛谷真輝、江面浩、細谷和重、冨田健夫

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