半促成トマトの側枝利用による果実糖度の向上及び摘葉と摘果の影響


[要約]
各果房直下の側枝着生葉を利用して1果房当たりの葉数を増やすと、果実糖度が向上する。主茎の摘葉は果実糖度を低くし、1果房当たりの着果個数を制限しても、果実糖度の向上には結びつかない。

[キーワード]トマト、糖度、収量、側枝、摘葉、摘果

[担当]千葉農総研・生産技術部・野菜研究室
[連絡先]電話 043-291-9987
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 トマト栽培では、収量を確保するとともに、糖度の高い果実の生産が求められている。産地では、重さ200g前後の大玉のトマトを数多く収穫するために着果個数を制限することや、葉かび病などの病害防除のために収穫を終えた果房より下の本葉を摘除することが行われている。しかし、これらの栽培法が、完熟系トマトの品質と収量に及ぼす影響については明らかにされていない。そこで、摘果処理と、摘葉や葉面積を増やすための側枝利用などの整枝が、果実糖度と収量に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 果実糖度は、側枝を全て除去し摘葉を行わなかった無処理区と比較すると、各花房直下の側枝を本葉2枚で摘心した側枝利用区は常に高く、収穫を終えた果房より下の本葉を摘除した摘葉区は常に低く推移する(図1)。
2. 摘葉や葉面積を増やすための側枝利用などの整枝を異にしても、総収量、上物収量、上物果重、上物率、着果個数には差は認められない(表1)。
3. 各果房の着果個数を制限しても、果実糖度の推移に差は認められない(図2)。
4. 各果房の着果個数を制限すると、上物果重は、着果個数が少ないほど重くなる。しかし、総収量、上物収量は、着果個数が少ないほど少なくなる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 窓あき果、尻腐れ果など商品性のない果実は早めに摘果する。
2. 下位葉から発生しやすい葉かび病に罹病した葉や、黄化葉などは、病害蔓延防止のため早めに除去する。
3. 条間130cm、株間40cm、1条植え、栽植株数が1,923株/10aでの試験結果である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:トマトの栽培管理法改善による果実糖度の向上
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:福地信彦、本居聡子、宇田川雄二
発表論文等:1)福地ら(2003)園学雑72別1:238.

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