砂質土における半促成トマトのかん水同時施肥栽培


[要約]
砂質土における半促成トマトのかん水同時施肥栽培は、生育時期別にかん水量、 窒素施用量を変えることにより、慣行栽培と同等の収量を得ることができる。また、窒 素施用量は約50%の削減が可能である。

[キーワード]トマト、砂質土、かん水同時施肥、窒素施用量、窒素減肥

[担当]千葉農総研・北総園芸研究所・砂地野菜研究室
[連絡先]電話 0479-67-2135
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 千葉県下長生地域では、砂質土地帯で長年トマト栽培が行われているが、連作による土壌への養分過剰の問題等から収量、品質の低下が問題となっている。そこで、その対応策としてかん水同時施肥栽培技術が多くの農家に導入されている。しかし、砂質土地帯での養水分管理方法は未確立であり、半促成栽培において品種に「ハウス桃太郎」(タキイ種苗)を用いて、適正なかん水方法及び窒素施用量について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. かん水同時施肥栽培に使用する点滴チューブは硬質ポリエチレンパイプで、砂質土での土壌中への水の浸透を均一にするため、吐出孔間隔は20cmのものが適している。
2. かん水頻度を1日1回とし、かん水量は根量やかん水の均一性の維持も含め、定植から第3花房開花期までは株当たり300mL、第3花房開花期から収穫開始期までは300〜500mL、収穫期は800〜1,000mLとする(表1)。
3. かん水における液肥濃度(倍率)は、定植から第3花房開花期までは窒素がリン酸及び加里に比べて比べて少ない肥料(本試験では養液土耕5号.12-20-20)を用い、1,200〜1,800倍(株当たり窒素20〜30mg)とする。第3花房開花期以降は、窒素に比べてリン酸が少なく加里が多い肥料(本試験では養液土耕2号.14-8-25)を用い、収穫開始期までは800〜1,200倍(同50〜60mg)とする。収穫期は、かん水量を株当たり1,000mLとすると、初期には1,500倍(同90mg)程度とし、徐々に減量して摘心期には2,000〜3,000倍(同45〜70mg)程度とし、摘心後はさらに減量し、収穫終了2週間ほど前までに4,500倍(同30mg)程度として、その後収穫終了直前には無施用とする(表1)。
この窒素施用法により、慣行栽培(28kg/10a)に比べて窒素施用量の約50%の減肥が可能である(図1)。
4. かん水同時施肥栽培は総収量が目標値の12t/10aを上回り、上物収量、上物率及び果実糖度とも慣行栽培と同等である。また、上物平均1果重は慣行栽培より5%以上重く、大玉化の傾向が見られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. かん水同時施肥栽培のかん水(液肥施用)は基本的には毎日行うこととするが、深さ20cmのpF値が1.8〜2.0を維持することを目安とし、適宜かん水量を調節して必要な窒素量が供給できるような方法をとる。
2. 連作を重ねた圃場では、減肥栽培を行うことで、土壌に蓄積された養分が減少していく。そのため、土壌診断を実施して、土壌中の窒素量等を把握し、適宜、窒素施用量を調節する。
3. 条間130cm、株間40cm、1条植え、栽植株数が1,923株/10aでの試験結果である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:砂質土におけるトマトのかん水同時施肥栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:古川雅文、松田隆志、青木孝一

目次へ戻る