昇降式防霜ファンの俯角と茶株面の葉温上昇効果


[要約]
地上3mの高さから送風する昇降式防霜ファンの利用については、俯角をこれまでの標準設定であった10度から15〜20度に修正すると、葉温の上昇範囲が広がる。

[キーワード]チャ、凍霜害、送風法、防霜ファン

[担当]静岡茶試・栽培研究
[連絡先]電話 0548-27-2884
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 防霜時期以外は樹冠面より下に収納できる昇降式防霜ファンは、コストと強度的な問題により、上昇時の高さ約3mが限界である。これまでの研究では、地上3mの低位置からの送風は、地上7mよりも防霜効果が劣ることが指摘されているので、その原因を解明する。

[成果の内容・特徴]
1. 慣行の地上7mでファンを稼働すると、図1-Aに示される範囲で茶株面葉温の上昇が起こる。風が直接当たっていない場所では葉温の上昇は起こらない。
2. 地上3mファンを標準設定の俯角10度で送風すると、図1-Bに示されるように地上7mファンよりも葉温が上昇する範囲が狭くなる。
3. ファンの俯角を15度(図1-C)、20度(図1-D)に下げると、葉温の上昇範囲は10度よりも広くなる。
4. 俯角を標準の10度で設定した地上3mの昇降式防霜ファンは、ほとんどの風が茶園上空を通過し、茶株面に直接当たる風が少ないので、葉温上昇範囲が狭まると考えられる。したがって、昇降式防霜ファンの俯角の設定を15〜20度に修正する必要がある。

[成果の活用面・留意点]
1. 昇降式防霜ファンの俯角を下げて送風すると、強風による損傷芽の増加が懸念される。別の研究結果では、摘採期間近の送風は損傷芽を増加させるが、製造した荒茶に欠陥は認められていない。
2. 本成果の適用範囲は平坦地茶園のみで、傾斜地茶園での葉温上昇効果は不明である。
3. 一部では、俯角を十分に下げられない機種が販売されている。そのような場合は、メーカーによる回収、改善が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:新農薬及び新肥料の効果確認及び使用法の検討
予算区分:県単
研究機関:2003年度
研究担当者名:中野敬之
発表論文等:
1) 丹羽・中野(2003). 農業環境工学関連5学会2003年合同大会. 講演要旨 : 78.
2) 丹羽・中野(2003). 茶研報96別 : 14−15.

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