茶葉成分テアニンの継続的な経口摂取による脳障害の軽減


[要約]
実験動物としてラットを用い、茶葉成分の一つであるテアニンを継続して経口摂取させると、実験的脳梗塞モデル(脳虚血-再還流)後に起こる健忘症状や、脳卒中により引き起こされる脳傷害が軽減される。

[キーワード]チャ、緑茶、テアニン、脳梗塞、脳卒中

[担当]静岡茶試・製茶新製品研究
[連絡先]電話 0548-27-2311
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 茶葉に含まれるアミノ酸の一つであるテアニンは、チャに特有の成分であり、これまでに脳梗塞モデルマウスの脳内直接投与により、脳細胞死を保護する作用が報告されている(T. Kakuda et al. 2000)。
しかし経口摂取した場合の脳傷害へ与える影響については、いまだ明らかとなっていない。そこで、
1.脳梗塞モデルラットとして、両側頸静脈閉塞法で脳虚血-再還流を行った場合の抗健忘作用
2.脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR-SP)を用いた生存率、脳傷害へ及ぼす作用
について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 両側頸静脈閉塞にて虚血-再還流の処置を施した12週齢のWister系 雄ラットを用い、図1に示す装置・方法で、受動的回避試験(Passive Avoidance Test)を行ったところ、図2に示すとおり、テアニン摂取群は水摂取群に比べ、1日後、5日後ともに、最大待機時間に達したラットの割合が高い傾向にあったことから、テアニンの継続的な摂取が、虚血-再還流による脳の機能障害を軽減させる可能性が考えられる。
2. 3週齢の雄 SHR-SPを、図3に記載した4グループに分け、自然死するまで飼育し、各群の生存率を調べたところ、テアニン2群と制限食群は、対照群に比べて生存率が有意に増加した。よって、これら条件は、脳卒中の発症遅延をもたらす。(図3)
3. 上記のテアニン2群と制限食群間に、生存率の違いはみられなかった。しかしながら、死亡後の脳の状態を観察したところ、テアニン2群の傷害部位は少なかったことから、テアニンの経口摂取は、脳卒中による傷害を軽減させる。(図4)

[成果の活用面・留意点]
研究課題である「茶葉成分を使用した脳機能活性化、脳機能障害保護作用製品の開発」おける、脳機能保護作用を示す製品開発の基礎的資料として活用する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:茶葉成分を使用した脳機能活性化、脳機能障害保護作用製品の開発
予算区分:(県単)
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者 :寺島健彦

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