不定胚を介した効率的なメロン再分化系


[要約]
メロン完熟種子の胚軸部を除いた子葉部を切断し、2,4-Dを2mg/l並びにBAを0.1mg/l添加したMS液体培地で振とう培養して得た不定胚を1%寒天MS培地で培養して正常な植物体に成長させ、順化後に温室で養成すると効率的に再分化メロンが得られる。

[キーワード]メロン、2,4-D、BA、MS、不定胚、再分化、振とう培養

[担当]茨城県農業総合センター・生物工学研究所・野菜育種研究室
[連絡先]電話 0299-45-8330
[区分]関東東海北陸農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 遺伝子組換えあるいは体細胞変異利用によるメロン育種においては、不定芽あるいは不定胚誘導による再分化系の確立が必須である。これまでメロン遺伝子組換えは固形培地による不定芽培養系で行ってきたが、形質転換体作出効率が低いことが問題である。
 そこで、形質転換体作出効率の向上を図るために、従来の固形培地にかわり液体培地による不定胚誘導を介した効率的なメロン再分化系を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. メロン完熟種子の胚軸部を除いた子葉部を1〜4mmの大きさに切断し、2,4-Dを2mg/l並びにBAを0.1mg/l添加したMS液体培地で浸とう培養すると不定胚が得られる(図1A, B)。
2. 種子当たりの不定胚数は、種子子葉部の切断回数にともない増加する(表1)。
3. 培養開始後4週目には1種子あたり品種「冬A」で130個、品種「ベドランテス」で117個程度の不定胚が得られる(表2)。
4. その後、植物成長調節物質を添加しないMS液体培地で培養する。培養後2週間目に茎葉並びに発根を呈する再分化個体は、品種「冬A」で約2割、品種「ベドランテス」で約8割であった(表2, 図1C)。
5. それら再分化個体の倍数性調査における2倍体の割合は、品種「冬A」で約6割、品種「ベドランテス」で約7割である(表2)。
6. 再分化個体は著しい水浸状化を呈すが(図1D)、これを1%寒天MS培地に移植すると、正常な植物体に成長し(図1E)、温室で順化することができる(図1F)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本法の液体培地による不定胚誘導を介したメロン再分化系の確立は、形質転換体の作出において従来法の固形培地を用いずに抗生物質を添加した液体培地で振とう培養して行うことから、効率的な形質転換組織の選抜に活用できる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:日持ち性関連遺伝子を用いた日持ち性作物の作出並びに特性評価
予算区分:県単
研究期間:2001〜2003年度
担当者:赤坂庸子、鹿島美咲、八城和敏、冨田健夫

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