カブモザイクウイルス(TuMV)遺伝子を導入したモデル植物における抵抗性スペクトラム


[要約]
アブラナ科野菜の重要病害であるカブモザイクウイルス(TuMV)の外被タンパク質(CP)遺伝子をシロイヌナズナに組み込んだ後に選抜した抵抗性系統は、極めて広いTuMV分離株に抵抗性を示す。

[キーワード]カブモザイクウイルス、抵抗性スペクトラム

[担当]神奈川県農業総合研究所・生物資源部
[連絡先]電話 0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 植物ウイルスのCP遺伝子等を導入した形質転換植物において、導入遺伝子がRNAサイレンシングを起こすと当該ウイルスに抵抗性を示すことが明らかにされている。しかし、導入遺伝子配列の違いが抵抗性レベルに与える影響や、そのスペクトラムについては不明な点がある。そこで前年度までに、ノーザンブロット解析によりRNAサイレンシングの誘発が推定されている、TuMVのCP及び複製酵素(NIb)遺伝子を導入したシロイヌナズナ及びN. benthamianaにおけるTuMV抵抗性について解析する。

[成果の内容・特徴]
1. TuMV-CP(864bp)またはNIb遺伝子の一部(820bp)をシロイヌナズナまたはN.benthamianaに導入することにより複数の形質転換体T0世代を作出し、その次世代(T1世代)にTuMVを汁液接種すると、TuMV抵抗性及び感受性の個体が得られる(図1 A,B)。この場合、導入遺伝子(CPまたはNIb)の違いによる抵抗性レベルには明確な差は認められない。
2. TuMV-CPを導入したTuMV抵抗性シロイヌナズナの形質転換体3系統(CP11,20,23)に、病原性及びCP遺伝子配列の相同性が異なる17のTuMV分離株を接種すると、いずれの系統も全てのTuMV分離株に対して抵抗性を示す(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. アブラナ科植物にTuMVのCP遺伝子を導入することにより、極めて広いTuMV抵抗性スペクトラムを持つ個体を選抜できる可能性がある。


[具体的データ]



[その他]
研究課題名:カブモザイクウイルス(TuMV)抵抗性植物の作出
予算区分:県単
研究期間:1998〜2003年度
研究担当者:野村 研、大島一里(佐賀大)、穴井豊昭(佐賀大)、植草秀敏、北 宜裕

目次へ戻る