国産麺用小麦を利用した大量製パン技術


[要約]
国産麺用小麦粉を原料とした際、小麦蛋白質のグリアジン画分を配合し、改良した中種法を用いることにより、自動製パンラインによる大量生産方式においても、外国産パン用小麦粉を原料としたときと同等品質の製品を製造することができる。

[キーワード]コムギ、グリアジン、パン

[担当]都食技セ
[連絡先]電話 03-5256-9251
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 国産小麦の多くはうどんなどの日本麺用を中心に供給されており、その蛋白質の量や性質が需要の多いパンには適していないため、利用面での課題が残されている。
そこで、国産小麦の製パン性向上について検討し、自動製パンラインにも対応可能な製パン技術を開発することを目的とした。

[成果の内容・特徴]
1. 実験室規模製パン試験における改良した中種法は以下のようである。中種の段階で小麦粉に対してグリアジン画分3%、食塩2%、アスコルビン酸0.01%、イースト2.5% を加えて、十分なミキシングにより生地をデベロップさせる。捏ね上げ温度を27〜28℃に上昇させる。
2. 本改良法で発酵させることにより,方向性のある緻密なグルテンネットワークが形成される(図1)。
3. 実験室規模の製パン試験では国産麺用小麦粉にグリアジン画分を3%配合するとパン体積が外国産パン用粉と同等となる。さらに改良中種法を利用すると、内相の圧縮応力が低下し、凝集性が増加する(図2)。即ち、パンの硬さと復元性が向上する。
4. 自動製パンラインを用いた食パン、上記条件に加えて、本捏ね時に酵素(α-アミラーゼ0.02%、ヘミセルラーゼ0.01%、グルコースオキシダーゼ0.02%)を配合することにより、。国産麺用小麦粉を原料として、外観、内相の気泡膜の状態が外国産パン用粉を原料とした食パンに匹敵する製品を製造することができる(図3)。また、経時的な内相の硬化も同様であり、本製造技術で製造される国産麺用小麦粉パン製品は外国産パン用小麦粉と比較して遜色ない品質となる。

[成果の活用面・留意点]
 食パン以外のロールパン、菓子パンへの応用技術を検討し、製パン、製粉メーカーおよび学校給食会等へ普及活動を進めている。
原料小麦については、「ホクシン」以外にも県産別の「農林61号」などを用い、同条件の製造が可能であることを認めている


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:農水産物脂溶性機能性成分の検索及びそれに応じたCDラップ製造法の開発
予算区分:新事業創出
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:三輪章志、吉川基世
発表論文等:三輪(2003)、「ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造法」、特願2003-314953

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