ハーブの脂溶性ラジカル消去成分の水溶性粉末製造法


[要約]
エタノール水溶液中でハーブ、糊化澱粉とサイクロデキストリン合成酵素を反応することで、脂溶性ラジカル消去成分抽出、サイクロデキストリン生成、脂溶性ラジカル消去成分の水溶化を同時に行え、ハーブ由来脂溶性ラジカル消去成分の水溶性粉末が効率よく簡易に製造できる。

[キーワード]ハーブ、糊化澱粉、脂溶性ラジカル消去成分、エタノール、サイクロデキストリン合成酵素、サイクロデキストリン、水溶性粉末

[担当]石川農研・生産環境部・農産加工科
[連絡先]電話 076-257-6976
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 消費者の健康志向から農産物に含まれる身体によい成分、すなわち機能性成分が注目され、食品企業は、機能性食品の開発に利用しやすいものを求めている。ハーブにも強いラジカル消去能を持つロスマリン酸やカフェ酸などが多く含まれているが、脂溶性で水に溶けず加工食品には利用しにくい。そこで、ハーブに含まれる脂溶性ラジカル消去成分を効率よく水溶性粉末化する簡便な方法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. ラジカル消去能(DPPH)が強いハーブは、ロシアンセージ、パイナップルセージ、オーデコロンミント、ベルガモット、オレガノである(図1)。
2. 本製造法は、エタノール水溶液中で澱粉、ハーブとサイクロデキストリン合成酵素を反応させ水溶性粉末を製造するCDラップ法であり、糊化澱粉を用いることでエタノール溶液中でのサイクロデキストリン(CD)生成量およびCD生成可能なエタノール濃度が向上できる(表1)。
3. ハーブCDラップの脂溶性ラジカル消去成分の含量やラジカル消去能は、エタノール濃度が濃いほど高い、特にエタノール濃度30%以上のハーブCDラップは、どのハーブでもラジカル消去能が生鮮物の2倍程度まで向上する(表2図2)。
4. 以上の結果より、ハーブCDラップ製造条件として、基質に糊化澱粉を用い、エタノール濃度は、エタノールで抽出された脂溶性成分を包接できるCD含量が充分あり、抗酸化能が高いことから30%が適当である。
 
CDラップとは: CDを用いた新しい包接方法であり、具体的な方法は、成果の内容・特徴の2に示した。この方法により従来CDで包接できなかった大きな分子の成分も包接可能となった。

[成果の活用面・留意点]
1. ハーブCDラップは、ラジカル消去能が強いため食品などへの添加量を事前に検討する必要がある。
2. ハーブCDラップは、香り成分も包接するためハーブの香りの付与を目的として化粧品、入浴剤などにも利用可能である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:農水産物脂溶性機能性成分の検索及びそれに応じたCDラップ製造法の開発
予算区分:新事業創出
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:三輪章志、吉川基世
発表論文等:三輪(2003)、「ハーブ脂溶性成分のサイクロデキストリン包接物の製造法」、特願2003-314953

目次へ戻る