促成キュウリ栽培における温熱環境改善のための温度管理


[要約]
促成キュウリ栽培における温度管理を13時まで28℃で管理しても、慣行の高温管理と同等の収量性が得られ、また、30℃以下で管理することはハウス内の温熱環境を収穫作業の高温許容温度以下に抑制するため、作業環境の改善を図ることができる。

[キーワード]キュウリ、温熱環境、湿黒球温度、エネルギー代謝率、温度管理

[担当]群馬農技セ・生産技術部・野菜グループ
[連絡先]電話 0270-62-1021
[区分]関東東海北陸農業・総合研究、野菜
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]
 促成キュウリ栽培ではハウス内を高温・多湿に管理する傾向にあるため、収穫作業は厳しい温熱環境での作業となっている。そこで、換気による温度管理が収穫作業の労働強度、ハウス内の温熱環境、収量性に及ぼす影響について検討し、温熱環境改善のための温度管理を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. 収穫作業における作業者のエネルギー代謝率(RMR)は、摘心整枝、つるおろし整枝ともに、湿黒球温度(WBGT)の上昇により高くなる。作業強度は30℃(WBGT)付近までは軽作業であるが、31℃(WBGT)以上では中等度作業となる。そのため、収穫作業の高温許容温度は30.5℃(WBGT)と考えられる。また、つるおろし整枝での収穫作業は摘心整枝よりRMRが低くなる(表1)。
2. WBGTと気温との相関関係は、相関係数 R=0.99と高い相関がある。そのため、気温を30.0℃以下で管理することにより、収穫作業時の温熱環境を高温許容温度以内に抑制することができる(図1)。
3. 収穫期の温度管理を13時まで28℃(気温)で管理しても、光合成速度は低下せず、また、各整枝方法、各品種とも慣行の温度管理と同等の総収量、上物率を得ることができる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 13時まで26℃以下の温度管理では、収量性を維持することができない。
2. 13時まで28℃の温度管理は、慣行管理より草勢が強くなりやすい。
3. 温度管理は換気による最高気温の制御であり、上位節の一次側枝の発生確認後に実施する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:草姿管理等による施設を中心とした果菜類の省力・快適化生産技術の確立
予算区分 :助成(地域基幹)
研究期間 :2000〜2002年度
研究担当者:宮本雅章、阿部晴夫
発表論文等:宮本・阿部(2004)群馬県農業技術センター研究報告.1(投稿中)
宮本雅章(2004)農作業学会春季大会(発表予定)


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