飼料イネ「はまさり」の小麦あと湛水直播栽培法


[要約]
飼料イネ「はまさり」の小麦あと湛水直播栽培では施肥水準は総窒素成分で8〜9kg/10a、苗立数は平米当たりで条播は75本前後、散播は75〜150本を確保することで、移植栽培並みの乾物収量1.2t/10aが確保できる。

[キーワード]はまさり、飼料イネ、湛水直播、苗立、施肥

[担当]埼玉農総研・米・麦担当
[連絡先]電話 0485-21-5041
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]
 自給飼料生産向上のため、県内の稲麦二毛作地帯では新たな自給飼料または水田転作作物として飼料イネ生産が年々増加している。しかし、6月の麦収穫、水稲移植の作業集中・競合から省力的栽培法の導入が求められている。
 そこで、飼料イネ生産拡大のため、本県で育成し飼料用イネ専用品種として幅広く普及している耐倒伏性極難の品種である「はまさり」を用いた小麦あとの湛水直播栽培方法を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. カルパーコーティング2倍重種子を用いた6月下旬播種では、出芽期までに5日を要し、中苗移植栽培より出穂期、収穫期とも5日程度遅くなる(表1)。
2. 施肥水準は総窒素成分を8〜9kg/10aで、窒素単体(N40%)の緩効性化成肥料であるLP40を4〜5kg/10a、LPSS100を3〜4kg/10aで組み合わせた基肥一発施肥も有効である(図1)。
3. 収量目標を中苗移植栽培並みの1.2t/10aとすると、条播の最適苗立数は平米当たり75本前後で100本を越えると茎葉重・穂重とも低下し、1t/10a程度に減収する(図23)。
4. 散播では苗立数による収量への影響は条播より小さく、最適苗立数は平米当たり75〜150本である。また条播と比較すると1割程度増収する(図23)。
5. 黄熟期における10a当たりの乾物収量は、「全長×平米当たり穂数×3.2」(全長=稈長m+穂長m)の式で推定できる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 播種量は乾籾で約3kg/10a、カルパーコーティングは2倍重とし、播種深は種子が表面に露出しない程度とする。
2. 播種量は出芽率7割程度で設定し、播種後は落水出芽法を用いて苗立ちを確保する。
3. 埼玉県熊谷市の細粒灰色低地土で実施した試験のため、当該栽培地域の気象・土壌条件を考慮する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:飼料イネに対応した乾田地帯の省力的生産・調整・利用技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:1999〜2002年度
研究担当者:大岡直人、重松統、上野敏昭、箕田豊尚、内藤健二、井上文惠


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