飼料イネ「はまさり」の不耕起麦間直播栽培法


[要約]
飼料イネ「はまさり」の不耕起麦間直播栽培は、チウラム粉衣した種子を3月中旬までに播種し、苗立数を平米当たり150本以上確保することで移植栽培並の乾物重量が得られる。施肥水準は緩効性化成肥料を用いて総窒素成分で12kg/10aとする。

[キーワード]はまさり、飼料イネ、麦間直播、不耕起、苗立、施肥

[担当]埼玉農総研・米・麦担当
[連絡先]電話 0485-21-5041
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]
 自給飼料生産向上のため、県内の稲麦二毛作地帯では飼料イネ生産が新たな自給飼料または水田転作作物として年々増加している。しかし、6月の麦収穫、水稲移植の作業集中・競合から省力的栽培法の導入が求められている。
 そこで、本県で育成した飼料用イネ専用品種「はまさり」を用いた不耕起麦間直播栽培方法を確立し、作業競合の緩和と作付面積拡大による飼料イネの生産量拡大を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 播種時期は麦茎立ち期前の3月上〜中旬とする。出芽期は4月第6半旬となり、出穂期、収穫期とも6月下旬の中苗移植栽培と同等である(表1図1)。
2. 播種深は4cm前後とし、チウラム剤による種子粉衣(0.5%)により苗立ち率は向上する(表2図1)。
3. 移植栽培並みの乾物収量(1.2t/10a)を得るためには、平米当たりの苗立数は150本以上確保する必要がある。本技術の3月上〜中旬播種の苗立率は50%前後のため、苗立数150本を基準とした播種量は乾籾で7kg/10a程度必要で、条間35cmの場合、1m間に100〜110粒落下するように播種機を調整する。また、収量は苗立数200本まではわずかに増加する(図3)。
4. 肥料は緩効性化成肥料N12kg/10aを播種時に全量側条施肥することで移植栽培(基肥+穂肥)と同等以上の収量が得られる。肥料の組み合わせは、LPSS100+LPS120を5+7または6+6kg/10aが有効である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. ディスク駆動式の汎用型不耕起播種機を用い、麦と飼料イネの条間は同幅で播種する。
2. 代掻きを行わないため、漏水の激しいほ場には適さない。
3. 雑草防除は入水前の茎葉処理剤による既発生雑草の防除と入水後に初中期一発剤処理の体系防除を行う。
4. 試験は埼玉県熊谷市の細粒灰色低地土で実施したため、当該栽培地域の土壌・気象条件を考慮する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:飼料イネに対応した乾田地帯の省力的生産・調整・利用技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:1999〜2002年度
研究担当者:大岡直人、重松統、上野敏昭、箕田豊尚、内藤健二、井上文惠


目次へ戻る