飼料イネ「ほそおもて」「クサホナミ」の窒素施肥量は食用品種栽培の1.5〜2倍程度がよい


[要約]
飼料イネ「ほそおもて」「クサホナミ」を用いた直播による窒素施肥量は食用品種栽培の1.5〜2倍程度で倒伏なく高位収量が得られる。施肥法による収量差は小さいが緩効性肥料の全量基肥が分施肥体系よりやや収量性が高い。

[キーワード]飼料イネ、直播、乾物収量、TDN収量、籾/茎葉比、施肥法、施肥量

[担当]長野農事試・作物部
[連絡先]電話 026-246-9783
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、水田畑作物
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]
 飼料イネ栽培は、耕種農家サイドからは転作物として、畜産農家サイドからは自給飼料として注目されている。飼料イネの低コスト・安定生産のため、直播栽培での高品質多収栽培法を確立し、飼料イネ生産の定着化を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 「ほそおもて」及び「クサホナミ」は、乾田直播・湛水直播とも黄熟期(出穂後30〜35日調査)の全乾物収量150kg/a程度が得られる。乾田直播栽培は湛水直播栽培より穂数を確保しやすく、「ほそおもて」では収量性がやや高い傾向である(図1図3)。
2. 食用品種栽培の2倍までの窒素増肥は倒伏なく、乾物重・TDN収量とも増収する。1.5倍と2倍区の収量差は小さいが増収効果が認められるため(図1)、窒素施肥量は食用品種栽培の1.5〜2倍程度でよい。
3. 窒素増肥により、穂数が増加し茎葉重は増加するが、籾重の増加は認められないため、籾/茎葉比が低下する(図1)。
4. 緩効性肥料の全量基肥は、多肥(窒素1.5〜2倍)では速効性肥料の分施肥よりやや収量が高い傾向が見られる(図1)。
5. 茎数確保のための早期追肥を取り入れた2回追肥の分肥体系では、前期・後期の各追肥時期による収量差は小さく、7〜9葉期+幼穂形成期〜葉耳間長0cm期の2回追肥で安定した収量が得られる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本試験は耐倒伏性強の飼料イネ用品種を用いており、一般の食用品種を転用する場合は適用できない。
2. 試験場所での一般食用米の10a当たり窒素施肥量は、速効性肥料の分肥体系8kg、緩効性肥料の全量基肥体系は6.4kgである。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:飼料稲の中山間地帯における省力的生産・調製・利用技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:斎藤 稔、袖山栄次、中澤伸夫、細井淳、酒井長雄、土屋 学


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