機能性肥料を用いたかぶせ茶少肥栽培体系


[要約]
機能性肥料を用いた施肥窒素量35kg/10aのかぶせ茶栽培において、減肥開始後5年間での荒茶売上額は65kg/10aの慣行栽培と同等である。さらに、肥料費や労働時間を軽減できるため農家所得への影響は少ない。

[キーワード]チャ、かぶせ茶、少肥、機能性肥料

[担当]三重科技セ・農業研究部
[連絡先]電話 0595-82-3125
[区分]関東東海北陸農業・関東東海総合研究、関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]
 環境負荷軽減を目的とした機能性肥料を用いた施肥窒素合計量35kg/10aでのかぶせ茶栽培を実施し、収量・品質や施肥作業等について評価を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 従来100kg/10a前後の施肥窒素量であった表層腐植質黒ボク土の現地茶園(品種:やぶきた)において、5年前から減肥処理を開始した。
2. 少肥区は被覆尿素配合肥料(被覆尿素70日タイプ・配合窒素比率40%)3回及び硝化抑制剤入り肥料1回を施用する年4回施肥で施肥窒素合計量35kg/10a(内、被覆尿素11kg、硝抑7kg)、慣行区は有機配合肥料・菜種粕・化成などを主体とする年7回施肥で平均施肥窒素合計量は県施肥基準の65kg/10aである。また、施肥は両区とも畝間部への施肥である(表1)。
3. 年間施肥窒素量が35kg/10aの少肥栽培でも生葉収量は一番茶への減肥の影響はないが、二番茶・秋番茶ではやや減収する。しかし、荒茶全窒素への影響は小さい(表2)。
4. 荒茶単価は一番茶、二番茶ともにほぼ同等であり、過去5年間の平均荒茶売上額もほぼ同等である(表3)。
5. 施肥作業能率は44a/時間であり、組人員が1名の場合は特に肥料の袋開け・肥料補給時間が全作業時間の35%を占めている。少肥栽培では肥料の絶対量も削減でき、肥料散布時間は約50%の減少となるため、労働負担の軽減化・省力化の効果が大きい(表4)。
6. 多肥栽培において肥料費は物材費の約30%を占めており、経営収支に与える影響が大きく、少肥栽培では肥料費は約43%削減できるためコスト低減効果が大きい(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 減肥処理後5年目になるが、生葉収量及び品質は年次変動があるため、さらに継続調査が必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:少肥栽培と窒素溶脱防止技術によるかぶせ茶地域の環境保全型茶生産システムの確立
予算区分: 国補(地域基幹)
研究期間: 1999〜2003年度
研究担当者:喜多嶋秀之、松ヶ谷祐二、出岡裕哉、中西幸峰、磯部宏治
発表論文等:1)喜多嶋ら(2002) 茶研報94(別):82-83 
      2)磯部ら(2002) 茶研報94(別):84-85
      3)喜多嶋ら(2003) 茶研報96(別):46-47


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