稲発酵粗飼料における収穫機の刈取り機構とロールベールサイレージ品質との関係


[要約]
稲発酵粗飼料は水分を70%程度以下に調整すれば、いずれの収穫機械体系でも酪酸やVBN/T−N(比)が少なくVスコア80以上のロールベールサイレージとなる。また、「フレール型」で調製したサイレージは、他に比較して乾物密度が高く、乳酸が増加しpHが低下してフリーク評点が高い。

[キーワード]稲発酵粗飼料、収穫機械体系、Vスコア、フリーク評点、ロールベール 

[担当]長野畜試・飼料環境部  
[連絡先]電話 0263-52-1188
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、関東東海・畜産草地
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]
 稲発酵粗飼料はロールベーラを利用した収穫機械体系が一般的である。現在、刈取り部分が稲発酵粗飼料専用カッティングロールベーラ「フレール型」(以下「フレール型」)および稲発酵粗飼料専用カッティングロールベーラ「コンバイン型」(以下「コンバイン型」)の2種類の専用機械と「モア・テッダ・レーキ・ロールベーラ体系(以下「モア・ロールベーラ体系」)の3種の収穫機械体系で利用拡大が図られている。そこで、県内各地で調製されたロールベールサイレージ(主に黄熟期「コシヒカリ」)32個について収穫機械体系別に品質を調査し分類する。

[成果の内容・特徴]
1. 「フレール型」で収穫したサイレージの乾物密度は、140〜190kg/m3で、「コンバイン型」の100〜143kg/m3、「モア・ロールベーラ体系(カッテッング機能無し)」の112〜167kg/m3より高い(図1)。
2. 個々にロールベール重量を測定し乾物率を掛けた後、容積で割り戻し算出した乾物密度は、水分が低くなるほど乾物密度が高くなる関係にある(図1)。
3. 調製40日以上経過後に開封する場合、いずれの収穫機械で収穫調製した場合も水分を70%程度以下に調整すれば酪酸やVBN/T−N(比)が少なく、Vスコア80以上のロールベールサイレージとなる(表1図2)。
4. 「フレール型」で収穫調製したサイレージは、他に比較して乾物密度が高く乳酸が増加してpHが低下し、フリーク評点が高い(表1図3、図4)。
5. 「モア・ロールベーラ体系」で収穫したサイレージのフリーク評点は、「フレール型」と「コンバイン型」の中位にある(表1図3、図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 乾物密度を高めれば良質サイレージを調製できる。
2. 材料草条件の差異については調査していない。
3. 降雨時の収穫調製作業やダイレクト収穫における生育ステージが早い時期での収穫調製作業には適応できない。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:飼料イネに対応した省力的生産・調製・利用技術の確立
予算区分:国庫(地域基幹)
研究期間:1999〜2003年度
研究担当者:百瀬義男 原拓夫 渡辺晴彦(長野畜試) 土屋学 中澤伸夫 斉藤稔 袖山栄次(長野農事試


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