黒ボク土茶園のうね間部表層土壌における土壌窒素無機化量の迅速な評価法


[要約]
黒ボク土のかぶせ茶園において一年間に無機化する土壌窒素量のうち、23〜63%がうね間部分に由来する。うね間部表層土壌における土壌窒素無機化量は熱水抽出窒素量によって評価することができる。

[キーワード]チャ、黒ボク土、土壌窒素、熱水抽出法

[担当]三重科技セ・農業研究部・循環機能開発グループ
[連絡先]電話 0598-42-6361
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]
 地下水の硝酸態窒素濃度低減を目的とした、茶の少肥栽培における窒素施肥基準の決定を行う上で、土壌窒素の評価が必要となる。かぶせ茶栽培では有機質肥料を主体とした施肥が行われるとともに、刈り落とし枝葉等の有機物が堆積するため、うね間の表層部分における土壌窒素の評価が重要となる。土壌窒素無機化量は金野法によって推定することができるが、長期間の労力が必要であるため、迅速な評価手法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 黒ボク土茶園における土壌窒素無機化量は、9〜22 kg/10a/年と算出された。茶園のうね間部分の面積は総面積の12〜26 %に当たるが、茶園における土壌窒素無機化量のうち、23〜63 %がうね間部分に由来する (表1)。
2. うね間部表層土壌の土壌窒素無機化量は16〜97 mg/100 g/年と多く、土壌窒素の供給源として、全窒素量の11〜15 %に当たる酸加水分解性アンモニア態・アミノ糖態・アミド態窒素、全窒素量の44〜48 %に当たる酸加水分解性アミノ酸態窒素がそれぞれ存在する。茶園間で比較すると、うね間部表層土壌における有機態窒素組成の変動は少ない (表2)。
3. 熱水によって抽出される窒素量は年間の土壌窒素無機化量と高い相関 (y=1.0x-3.1、r=0.89、p<0.01)が認められることから、熱水抽出法によってうね間部表層土壌における土壌窒素無機化量を簡易評価することができる (図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 熱水抽出法による土壌窒素量の簡易評価は、茶園ごとに施肥窒素削減量を決定する際の目安となる。
2. 北勢地方に分布する黒ボク土のかぶせ茶園における成果である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名:少肥栽培と窒素溶脱防止技術によるかぶせ茶地域の環境保全型茶生産システムの確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:1999-2003年度
研究担当者:田中千晴、出岡裕哉


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