大粒・良質で難裂莢性のだいず新品種候補系統「東山193号」


[要約]
だいず「東山193号」は、「フクユタカ」より早熟の晩生系統である。大粒で裂皮粒の発生が無く外観品質に優れ、豆腐加工に適する。難裂莢性で、倒伏が少なく成熟後の枯れ上りがよい。

[キーワード]ダイズ、大粒、外観品質、豆腐、難裂莢性、晩生

[担当]長野県中信農業試験場・畑作育種部
[連絡先]電話 0263-52-1148
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  高品質で加工適性の高い大豆品種の導入は、輸入大豆との差別化に重要である。また、耐病性の付与や機械収穫適性の改良は、品質向上や生産コスト低減に役立つ。大規模な機械化栽培体系では収穫期の作業分散も重要で、収穫遅れによる品質低下や収量損失の少ない品種の導入も有効である。
 そこで、裂皮粒や褐斑粒などの障害粒が少なく外観品質に優れ、加工適性も高く、難裂莢性でコンバイン収穫に適し大規模栽培に向く大豆品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 「東山193号」は、昭和62年に長野県中信農業試験場(農林水産省大豆育種指定試験地)において、「東山144号」(後の「オオツル」)を母、「東山154号」を父とした人工交配から育成された系統である(表1)。
2. 「フクユタカ」より早熟の晩生系統で、収量は「アキシロメ」に優り「フクユタカ」並である(表1)。
3. 「フクユタカ」に比べ主茎長が短く、倒伏が少ない(表1)。
4. 裂莢しにくく(表2)、成熟後の枯れ上りがよい。
5. 大粒で裂皮等の障害の発生が少なく、外観品質に優れる(表1)。
6. 豆腐および煮豆加工適性が高い(表2)。
7. ダイズモザイク病に強く(表2)、ダイズモザイクウイルスのA、B、CおよびD系統に抵抗性がある。
8. 紫斑病に強く、黒根腐病にもやや強い(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培適地は東山、東海地域で、岐阜県の奨励品種に採用予定である。
2. 「フクユタカ」との作業分散が可能である。
3. 生育量の少ない場合は、密植により最下着莢高を高める栽培を行う。
4. 「フクユタカ」より豆腐が軟らかい。
5. ダイズシストセンチュウ抵抗性がないので、連作を避けるとともに発病歴のある圃場へは作付けしない。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:大豆新品種育成試験
予算区分:指定試験
研究期間:1987年〜2003年度
研究担当者:矢ケ崎和弘、坂元秀彦、高松光生、山田直弘、重盛勲、宮崎尚時、高橋信夫、小林勉、小野佳枝、元木悟、西牧清、田中進久

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