ダイズ「東山193号」の奨励品種採用


[要約]
「フクユタカ」の作付が集中する岐阜県平坦地の作業分散を図る目的に、耐倒伏性・難裂莢性・難裂皮性に優れる「東山193号」を奨励品種に採用する。

[キーワード]作業分散、難裂莢性、難裂皮性、奨励品種

[担当]岐阜農技研・育種部
[連絡先]電話 058-239-3132
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  岐阜県は県内自給率向上を目標に大豆の生産振興を行なっているが、本県の中生奨励品種「アキシロメ」は、実需への知名度が低く、裂莢や裂皮等の問題もあり、平坦地での作付が減少の一途を辿っている。他方、晩生品種「フクユタカ」は、実需評価も高く、順調な作付拡大がなされている。しかし、単一品種への集中により、集荷施設の処理能力が限界となり、更なる作付拡大が困難となっている。そこで、中生で難裂莢性・難裂皮性に優れた「東山193号」を奨励品種に採用し、大豆生産振興を図る。

[成果の内容・特徴]
岐阜市(標高17m)における「東山193号」の特性は以下のとおりである(表1)。
1. 開花期は「アキシロメ」より6日早く、成熟期は「アキシロメ」より2日、「フクユタカ」より7日早い。
2. 主茎長は「アキシロメ」より3cm長いが「フクユタカ」より18cm短く、耐倒伏性は「アキシロメ」並で、「フクユタカ」より強い。
3. 主茎節数は「アキシロメ」より2節少ないが、分枝数は個体あたり1本多く、収量は「アキシロメ」より30%多く、「フクユタカ」並である。
4. 百粒重は36.0gと「アキシロメ」・「フクユタカ」より重い。
5. 裂莢性は「アキシロメ」より難である。
6. 外観品質は「アキシロメ」・「フクユタカ」と同等であり、「裂皮」は無い。
7. 粒は黄色味と光沢が強く、粒形は扁楕円体(表2)に分類される。
8. 粗タンパク質含量は高く、豆腐加工適性も良好である(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 普及面積は、「フクユタカ」作付地帯における500haを見込む。ただし、「フクユタカ」が作付けされていない標高400m以上での栽培は、必ず試作評価後に行う。
2. 最下着莢位置がやや低く、播種条件によっては主茎長が短くなる傾向が見られるため、播種適期を遵守し、株間を狭める等の対策を施して初期の伸長を促す。
3. 粒形が偏平であるため、転がし選別機器の調整に注意を要し、生産物検査にも品種固有の特徴について理解を得る必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:主要農作物における奨励品種決定調査及び種子生産事業
予算区分:県単
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:吉田一昭、荒井輝博、宇次原清尚

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