「あきたこまち」の全量基肥による省力施肥法


[要約]
「あきたこまち」は、速効性窒素と溶出パターンの異なる3種類の被覆尿素を用い、施肥窒素量を慣行の20%減肥とすることで、安定栽培が図れる。

[キーワード]あきたこまち、被覆尿素、全量基肥、省力施肥

[担当]茨城農総セ農研・水田利用研究室
[連絡先]電話 0297-62-0206
[区分]関東東海北陸農業・水田畑作物
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  農家の高齢化や規模拡大が進むなかで省力的な栽培技術が求められているが、茨城県の早生基幹品種である「あきたこまち」には、実用的な全量基肥専用の肥料がない。そこで、肥効調節型肥料を利用した「あきたこまち」の全量基肥施肥法を確立し、普及を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 全量基肥施肥区の生育は慣行施肥区に比べ草丈が短く、茎数が少ない。葉色は出穂期まで慣行施肥区よりやや淡いが、登熟後半の肥効切れもなく安定している (図1)。
2. 全量基肥施肥区の出穂、成熟期は慣行施肥とほぼ同じである。稈長は慣行施肥区より短かく、倒伏も少ない(表1)。
3. 全量基肥施肥区の収量は、平方メートル当たり籾数に起因して慣行施肥区よりやや少ないものの、R25+R50+R70区では実用的な収量54kg/a以上を達成できる。千粒重は全量基肥施肥区で増大する (表1)。
4. 整粒歩合はR25+R50+R70区及びR25+R70区が慣行施肥区よりやや優れる。白米粗タンパク質含量は全量基肥施肥区が慣行施肥区よりやや低下する(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 被覆尿素肥料はセラコートRを用い、溶出パターンはリニア型25日タイプ(R25)、シグモイド型50日タイプ(R50)、シグモイド型70日タイプ(R70)である。
2. 中粗粒グライ土における植え代施肥、4月下旬稚苗移植における結果である。
3. この肥料は窒素成分が26%の高成分肥料であり、施肥時の現物投入量が少ないため、肥料補給回数の削減効果も期待できる。ただし、リン酸、カリの成分は11%と低いので、連年栽培では土壌診断により生育をみながらリン酸、カリを施用する。
4. 被覆資材は衝撃に強いため、ブロードキャスターによる肥料散布も問題なく行える。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:あきたこまちの全量基肥施肥法
予算区分:県単
研究期間:2001〜2002年度
研究担当者:田中研一、狩野幹夫
発表論文等:なし

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