赤黄色土露地野菜畑におけるキャベツ・スイートコーン栽培の施肥窒素動態


[要約]
赤黄色土露地野菜畑における3年6作栽培における施肥窒素の作物吸収量及び地下浸透流出量の割合は、速効性化学肥料では37%と32%、緩効性化学肥料は35%、20%、牛ふん堆肥併用は37%、18%となり、緩効性化学肥料の施肥窒素流出量は著しく少ない。

[キーワード]窒素動態、速効性化学肥料、緩効性化学肥料、牛ふん堆肥、キャベツ

[担当]愛知農総試・東三河農業研究所・野菜グループ
[連絡先]電話 0532-61-6235
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料、共通基盤・土壌肥料
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  愛知県東三河地域に広く分布する赤黄色土露地野菜畑では生産性を維持するために化学肥料及び堆きゅう肥等有機物資材の施用量が多く、硝酸性窒素等による地下水汚染が懸念されている。そこで、施肥した窒素の動態を調査して、地下水の硝酸性窒素濃度を低減するための環境保全型施肥法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 窒素施用量はキャベツは30kg/10a、スイートコーンは25kg(6作目のみ20kg)を基準施用量とし、牛ふん堆肥併用(尿素+1作目に牛ふん堆肥10t)では速効性化学肥料(尿素)を夏作2作目は25kg、4作目12.5kg及び6作目は10kgを施用する。
キャベツ・スイートーンの3年6作栽培を通した施肥窒素の作物吸収量及び地下浸透流出量の施肥量に対する割合は、速効性化学肥料では37%と32%で、緩効性化学肥料(LP40)ではそれぞれ35%、20%であり、牛ふん堆肥併用では37%、18%となり、速効性化学肥料の地下浸透流出量は著しく多い(表1)。
2. 地下浸透流出量が少ない緩効性化学肥料の収量は、キャベツ及びスイートコーン作ともに速効性化学肥料よりも著しく増収する。牛ふん堆肥併用の収量は1年目の堆肥施用直後のキャベツで窒素の有機化により減収するが、2作目以降では速効性化学肥料と同等かそれ以上で推移する(図1)。
3. 緩効性化学肥料の作物に吸収された全窒素量は、速効性化学肥料や牛ふん堆肥施用よりもやや多い傾向が見られ、地下浸透で流出する全窒素量は、速効性化学肥料に比較して著しく少ない。一方、牛ふん堆肥併用の流出する全窒素量は堆肥により持ち込まれた窒素の影響から速効性化学肥料と同等程度まで多くなり、全吸収量とほぼ等しくなる(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 供試した牛ふん堆肥のT-N含有率は1.52%、乾物率は32.0%である。
2. 牛ふん堆肥は腐熟したものを使用することが好ましい。
3. 牛ふん堆肥の施用方法は毎作適量を施用して、併用する化学肥料を少なくすることが重要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:赤黄色土露地野菜地帯における環境負荷物質の動態解明
予算区分:国費(指定試験)
研究期間:2001〜2003年度
研究担当者:今川正弘、山田良三、荻野和明、白井一則、
発表論文等:白井・山田・今川・結田(2002)土肥要旨集48:144.

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