「あやひかり」品質に対する淡色黒ボク土における窒素・堆肥施用の影響


[要約]
堆肥連用や窒素施肥量の増加により「あやひかり」の子実タンパク質含量が増加し、粉色のa*値(赤み)が高くなる。また、a*値の変動はL*値(明るさ)やb*値(黄色み)の変動に比べて大きい。

[キーワード]コムギ、あやひかり、粉色、窒素施肥量、堆肥連用、L*a*b*表色系

[担当]中央農研・土壌肥料部・土壌管理研究室
[連絡先]電話 029-838-8827
[区分]共通基盤・土壌肥料、関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  タンパク質含量および小麦粉色は製麺用小麦粉として重要な品質である。窒素施肥によりタンパク質含量が増加し小麦粉色に負の影響があるとされるが、品種によりその反応に差異が認められる場合がある。ここでは、滑らかな麺の食感をもち、関東東海地域での普及が期待される「あやひかり」について、窒素施肥や土壌の窒素肥沃度を向上させると考えられる堆肥施用が、子実タンパク質含量や色彩色差計による小麦粉色(L*[明るさ]、a*[赤み]、b*[黄色み])に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 堆肥連用(1983年より2t/10a/年)により土壌の可給態窒素量が増加する(表1)。収量に対する堆肥連用効果は大きく窒素無施用でも高い収量水準にあり、窒素肥料の併用による増収効果は小さい(表2)。
2. 堆肥連用の有無にかかわらず窒素施肥量の増加にともない、子実タンパク質含量は増加する(表2)。堆肥連用の場合、窒素無施用でも子実タンパク質含量は麺用小麦として望ましい値(10〜11%)に近い値である。
3. 同一条件で製粉したA粉歩留は堆肥連用により減少傾向を示し、そのA粉のa*値の変動はL*値やb*値の変動に比べて大きい(表2表3)。堆肥連用や窒素施肥量の増加により、a*値は高まる傾向にある。堆肥の連用により、L*値が減少傾向を示す場合もある(表3)。
4. 以上より、堆肥や窒素施肥の小麦粉色に対する影響は、めんの官能評価と負の関係にあるとされる赤みに対して大きくあらわれ、窒素供給の増加により赤みが増す。また、堆肥の連用を続けた場合、窒素肥料の併用の収量・品質に対する意義は小さくなる。

[成果の活用面・留意点]
1. ブラベンダミルにより製粉したA粉6gに蒸留水8mLを加水したペーストを用いて、ミノルタCM-3500dにより色相を測定した。
2. 基肥-茎立期追肥の窒素施肥体系における淡色黒ボク土畑での情報である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:畑土壌の窒素動態に基づく小麦の収量・蛋白質含量予測モデルの開発
課題ID:03-06-01-01-10-03
予算区分:ブラニチ1系、外国人特別
研究期間:2002〜2005年度
研究担当者:高橋茂、MR Anwar、中辻敏朗、伊藤純雄

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