クリプトモス養液栽培培地の太陽熱消毒によるイチゴ萎黄病防除


[要約]
クリプトモス養液栽培培地を被覆資材に透明マルチを用いて、太陽熱消毒すると、培地内温度が50℃以上となり、イチゴ萎黄病に対して高い防除効果がある。

[キーワード]太陽熱消毒、イチゴ萎黄病、養液栽培、透明マルチ

[担当]栃木農試・環境技術部・病理昆虫研究室
[連絡先]電話 028-665-7149
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  本県で開発したクリプトモスを培地としたいちごの養液栽培では、低コスト化のため、複数年の培地使用が求められている。しかし、培地の連用にあたっては、土壌伝染性病害の防除対策を講じる必要がある。そこで、太陽熱を利用した簡便かつ効果的な防除方法を確立する。
 ※クリプトモス養液栽培培地:杉皮粉砕バークを主体とする未成型の有機質培地

[成果の内容・特徴]
1. 太陽熱消毒の方法については、ベンチ部分を透明マルチでくるむように巻き付け、パッカーで固定する(写真1)。
2. 透明マルチ区と黒マルチ区の培地内温度は深さ5cm地点での大きな違いはないが(データ略)、深さ10cm地点(培地最深部)では透明マルチ区の方が高くなる(図1)。
3. 消毒処理後の黒マルチ区からは萎黄病菌が検出されるが、透明マルチ区からは検出されない(表2)。また、透明マルチ区では生育期間中のイチゴ萎黄病の発生がなく(表3)、十分な防除効果が認められる。
4. 以上のことから、夏期の透明マルチ被覆による養液栽培培地の太陽熱消毒は、イチゴ萎黄病に対して高い防除効果がある。
5. 透明マルチ被覆による太陽熱消毒の消毒期間は夏期で2週間程度は必要である(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 消毒時期は夏期の高温時に行うことを基本とし、最深部の温度は50℃以上、10日間維持することが望ましい。
2. 栽培終了時に株残渣を可能な限り除去し、培地全体を十分に湿らせておく。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:いちごのクリプトモスを用いた養液栽培安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2001〜2002年度
研究担当者:小山田浩一、中山喜一、後藤知昭

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