花きに新発生したクリバネアザミウマおよびトラフアザミウマの防除薬剤


[要約]
クリバネアザミウマとトラフアザミウマは、花き類(草本植物)・観葉植物のアザミウマ類に対して登録のあるアセフェート水和剤かアセフェート粒剤で防除できる。

[キーワード]クリバネアザミウマ、トラフアザミウマ、防除、アセフェート水和剤、アセフェート粒剤

[担当]静岡農試・病害虫部
[連絡先]電話 0538-36-1557
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(虫害)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  静岡県では平成5年にトラフアザミウマ(マリーゴールドに寄生)が、また平成12年にクリバネアザミウマ(ディッフェンバキア等に寄生)が確認された。今後、これらアザミウマの発生は拡大すると考えられたので防除薬剤を探索した。

[成果の内容・特徴]
1. クリバネアザミウマの薬剤試験は、鉢植えディッフェンバキア(直径18cm)に本種を発生させ(成虫、幼虫および卵が混在)、各薬剤を処理したのち(各3鉢)、1、3および7日後に成幼虫の寄生葉率(合計30葉調査)を算出する方法で行った。
2. トラフアザミウマの薬剤試験は、マリーゴ−ルド(品種:ディスコ・イエロー)の鉢植え(直径9cm)に本種を発生させ(成虫、幼虫および卵が混在)、各薬剤を処理したのち(各5鉢)、10日、20日および40日後に食害度を鉢ごとに調査する方法で行った。
3. その結果、クリバネアザミウマに対してはフルフェノクスロン乳剤を除いていずれも高い防除効果を示した(表1)。また、トラフアザミウマに対してはいずれの薬剤も高い防除効果を示した(表2)。両試験とも薬害は認められなかった。
4. 以上のことから、クリバネアザミウマとトラフアザミウマは、花き類(草本植物)・観葉植物のアザミウマ類に登録のあるアセフェート水和剤(1000〜1500倍)かアセフェート粒剤(3〜6kg/10a)で防除できると考えられる。

[成果の活用面・留意点]
1. 供試薬剤のうちアセフェート水和剤(1000〜1500倍)とアセフェート粒剤(3〜6kg/10a)以外は花き類(草本植物)・観葉植物のアザミウマ類に農薬登録がないの。
2. クリバネアザミウマの寄主範囲はきわめて広く、野菜(ナス、キュウリ、インゲンマメ、トマト、メロン、チンゲンサイ、ネギなど)にも寄生することを明らかにしている。本種がこれまで問題とならなかった原因として、殺虫剤に対する高い感受性が考えられる。しかし、野菜では減農薬栽培の進展とともに、本種による被害が拡大することも考えられる。野菜のクリバネアザミウマに対しては、当該野菜のアザミウマ類に対して登録のある殺虫剤で防除する。
3. トラフアザミウマは、マリーゴールドにのみ寄生する単食性と考えられる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:新規発生アザミウマ類の発生生態の解明と防除対策の確立
予算区分:県単
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:西東 力、杉山恵太郎、片山晴喜
発表論文等:1)西東ら (2003) 関東病虫研報 50:147-150.

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