根部エンドファイトのハクサイへの定着率の向上と根こぶ病の防除


[要約]
根部エンドファイトHeteroconium chaetospiraのハクサイ根への定着率は、0.1%グルコースを含むピートモス培土を用いると、約75%まで向上する。根部エンドファイト処理苗は、圃場で50以上の防除価を示し、さらに地上部生育も良好である。

[キーワード]ハクサイ、根部エンドファイト、ハクサイ根こぶ病、生物防除

[担当]茨城農総セ・生工研・生物防除研究室
[連絡先]電話 0299-45-8332
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  根部エンドファイトを利用したハクサイ根こぶ病防除の効果を安定させるには、エンドファイトをハクサイ根に高率で定着させる必要がある。また、エンドファイトのハクサイ根への感染には、炭素源等の栄養条件が大きく影響する。そこで、ハクサイ根への定着に最適な栄養条件を検討し、さらに、病原菌の汚染密度と病害抑制効果の関係を解析し、本防除法の効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. グルコース0.1%を添加したピートモスにエンドファイトの分生子を混和し、2週間培養した培土でハクサイを育苗すると、エンドファイトが高率(約75%)で根部に感染し、定着する(図1)。
2. 0.1%グルコースを含むピートモス培土で育苗したエンドファイト処理ハクサイ苗は、対照区の発病指数が50前後の中〜重発生条件圃場で最も高い防除効果を示し、防除価で50以上を示す(図2左)。しかし、対照区の発病指数が70を超える甚発生条件下では、十分な病害抑制効果は得られない。
3. 圃場に定植したエンドファイト処理苗は、中〜重発生条件下では、対照区の約2倍、さらに甚発生条件下でも約1.5倍の重量まで生育する。そのため、収穫物として地上部を評価すると、殺菌剤(フルスルファミド粉剤)処理と同程度となる(図2右)。

[成果の活用面・留意点]
1. 根部エンドファイトHeteroconium chaetospira (MAFF238955)の微生物農薬登録が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:根部エンドファイトの製剤化に関する基礎研究
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:薄史曉、成澤才彦、河又仁、羽柴輝良(東北大農)
発表論文等:1) Usuki,F. et al. JGPP 68:326-332, 2002

目次へ戻る