飼料用イネにおけるイチモンジセセリからの被害回避栽培法


[要約]
飼料用イネ栽培でのイチモンジセセリによる被害を回避する技術として、栽培時期の早期化が著しく有効である。麦あと栽培では、追肥時期を第1世代成虫が産卵を終了した後の8月10日頃以降とすることが発生抑制に有効であり、産卵期及び産卵期直前の追肥は発生を助長する。

[キーワード]飼料イネ、イチモンジセセリ、イネツトムシ、耕種的防除、施肥

[担当]埼玉農総研・生産環境担当
[連絡先]電話 048-521-5041
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(虫害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  飼料用イネの栽培においてイチモンジセセリが多発し、その対策が求められている。そこで、飼料用イネ「はまさり」を用いて移植時期と追肥体系から本害虫の耕種的な被害回避栽培法を検討した。移植時期に関しては、早植栽培と麦あと栽培を比較し、追肥時期に関しては、産卵時期の追肥と産卵終了時期の追肥を比較して、発生量抑制効果の有無を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 早植栽培(5月22日移植)は、追肥の回数にかかわらず、幼虫の発生が著しく少ないので、栽培の早期化は被害回避栽培法として有効である(図1)。
2. 麦あと栽培(7月4日移植)は、つなぎ肥などの7月下旬の追肥は行わず、産卵がほぼ終了する8月10日以降に追肥することによって、幼虫発生の抑制が可能である(図1)。
3. 麦あと栽培(7月4日移植)は、産卵がほぼ終了した後の追肥に比較して、産卵最盛期の7月下旬の追肥は、8月中旬の齢期構成を若齢化し、産卵期後半の産卵助長が推定される(図2)。
4. 8月上旬のSPAD測定値の高い区では幼虫の発生が多い。従来から指摘されている産卵時期のSPAD値の抑制は、本種の発生抑制に有効である知見と一致した(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 麦あと栽培での本害虫の被害回避技術として、麦間直まき栽培は、4月に発芽して早期栽培の発育経過となるため、有効な手段として活用が期待される。
2. コストの低減が要求される飼料用イネでは、多少の害虫被害は許容されるが、現在のところ飼料作物としての被害許容水準の概念は未解明である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:総合的作物生産技術(ICP)の構築研究
予算区分:県単
研究機関:2003年度
研究担当者:江村薫、根岸進

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