根粒非着生大豆は黒根腐病の発病度が低い


[要約]
ダイズ黒根腐病の発病度(収穫期)は大豆の根粒着生能の違いにより異なり、非着生系統が最も低く、逆に超着生系統は非常に高い。生育初期の感染率や発病度には系統間で差は見られないが、超着生系統では生育後半に発病度が急激に上昇する。

[キーワード]ダイズ、根粒着生能、ダイズ黒根腐病、根粒非着生大豆、根粒超着生大豆

[担当]中央農研・耕地環境部・作付体系研究室
[連絡先]電話 029-838-8532
[区分]共通基盤・総合研究、病害虫、関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)、水田畑作物
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
  水田に作付けされる大豆の面積増加に伴い、黒根腐病が大きな問題となっている。近年根粒非着生もしくは超着生といった根粒着生能の異なる大豆が作出され実用化に向けて研究が進められている。根粒は本病菌にとって好適な侵入場所となることが知られているが、不明な点もある。このためこれら根粒着生能の異なる大豆の黒根腐病に対する感受性を調査し、根粒着生能の違いおよび根粒形成が本病の感染・進展・発病に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 根粒着生能の異なる大豆の同質遺伝系統間における収穫期のダイズ黒根腐病の発病度は、どの品種・系統においても非着生系統の方が着生系統より発病度が低い(図1)。
2. 殺菌土を用いた接種条件下でのポット試験の結果、生育初期(播種後6週間)の発病度は、根粒菌接種の有無にかかわらず根粒着生系統(エンレイ)とエンレイ由来の超着生系統(作系4号)および非着生系統(En1282)間に差がない(図2)。
3. 本病自然発生圃場においても根粒着生、超着生および非着生系統のいずれも、生育初期の発病度は低く(図3)、感染率にも差はない。着生系統の発病度は生育に伴って徐々に上昇するが、非着生系統では着生系統より低いまま推移して収穫期を迎える(図3)。これに対し、超着生系統は生育後半になって発病度が急激に上昇し(図3)、その結果被害が著しくなる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 試験圃場は淡色黒ぼく土である。
2. ダイズ黒根腐病菌の発病機構の解明の基礎知見として活用できる。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:マメ科作物の土壌伝染性病害に対する作物の発病抑止機能の解析と新たな耕種的防除法の開発
課題ID:03-05-01-02-01-03
予算区分:交付金
研究期間:1999〜2003年度
研究担当者:田澤 純子,臼木 一英、山本 泰由、高橋 幹(作物研)

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