水稲品種「宮崎もち」の穂いもち圃場抵抗性の遺伝解析


[要約]
水稲品種「宮崎もち」の穂いもち圃場抵抗性には第1および第11染色体に座乗する3個のQTL(量的形質遺伝子座)が関与している。

[キーワード]イネ、水稲「宮崎もち」、穂いもち圃場抵抗性、QTL解析

[担当]中央農研・病害防除部・糸状菌病害研究室
[連絡先]電話 029-838-8940
[区分]共通基盤・病害虫(病害)、関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)、作物・稲
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
  イネ品種の穂いもち圃場抵抗性に関与する遺伝子については、不明な点が多い。そこで、「オトメモチ」と「トドロキワセ」を交配して育成された水稲品種「宮崎もち」が有する強穂いもち圃場抵抗性の遺伝子解析を行い、抵抗性品種育成の効率化を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 水稲品種「宮崎もち」は穂いもちに対し、「トヨニシキ」同等かそれ以上の強圃場抵抗性を有する(図1)。
2. 「宮崎もち」と穂いもち圃場抵抗性弱水稲品種「び系22号」の交配後代のF6系統を用いQTL解析したところ、本圃場抵抗性に関与する第1および第11染色体上に座乗する3個のQTL(量的形質遺伝子座)が見出される(図2図3)。
3. 第11染色体上のマーカーRM4926の近傍に座乗するQTLの作用力が最も強く、このQTLの表現型分散中の寄与率は27.6%である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. いもち病抵抗性イネ品種のDNAマーカーを用いた効率的育成の基礎として活用できる。
2. いもち病圃場抵抗性に関与する既知の遺伝子との関係は検討していない。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:穂いもち圃場抵抗性の遺伝解析
課題ID:03-07-01-*-19-03
予算区分:ブランドニッポン5系
研究期間:2003〜2005年度
研究担当者:小泉信三、ラ・トァン・ニャ、宮坂 篤、安田伸子、井上伊織、善林 薫(東北農研セ)、芦澤武人(東北農研セ)
発表論文等:Genetic analysis of partial resistance to panicle blast in the rice       cultivar Miyazakimochi. 3rd IRBC(Abstracts p.35), 2002.

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