主穀作大規模経営体へのネギ栽培導入は経営の安定化に有効である


[要約]
圃場管理作業にハイクリアランス型トラクタを活用するとともに、調製作業間にベルトコンベアを導入し効率的な人員配置による調製を行う、ネギ省力・低コスト生産体系を主穀作大規模経営体に複合経営作物として導入することにより、所得が増加する。

[キーワード]ネギ、主穀作経営体、省力低コスト、所得

[担当]富山農技セ・野菜花き試験場・野菜課
[連絡先]電話 0763-32-2259
[区分]関東東海北陸農業・北陸・総合研究
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  稲作を主体とした農業生産法人等の大規模経営体では、近年の米価の低迷や転作率の増加により経営の悪化が認められる。また、近年のネギ等生鮮野菜の輸入急増により、国内の野菜作経営も不安定となっている。そこで、経営規模30haの農業生産法人の経営の安定化を目指して、先進的な技術を組み入れた根深ネギ栽培を導入し、その効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 圃場管理作業に、乗用管理機として水稲や大豆の管理に使用しているハイクリアランス型トラクタ(最低地上高870mm)を活用し、それに装着できるロータリカルチ、施肥機を開発するとともに、施肥には全量基肥用の被覆尿素混合肥料(平成11年度成果)を用い、畝立てと同時に条施用を行うことで施肥量の削減(窒素成分で慣行の50%削減)と追肥作業の省力化ができる。この乗用管理機を基幹とした圃場管理に、既存の収穫機を導入することにより、10a当たりの圃場管理作業時間が慣行に比べ、約35%に短くなる(表1)。
2. 調製作業は、慣行(2人作業)で1000本当たり約5.5時間を要していたが、根葉切り付きの高性能皮剥き機と作業をつなぐベルトコンベアーを導入し、効率的な人員配置(7人作業、図1)により、約1時間となり、1人・1000本当たりの作業時間が約64%に短くなる。また、泥付きネギでの出荷が可能な場合、1000本当たり作業時間が剥皮ネギ調製に比べ約半分の時間で調製できる(表2)。
3. これらの技術を導入することにより、ネギの機械化生産体系では10a当たりの作業時間の合計が191時間となり、慣行に比べて50%以上の削減ができる(表3)。
4. 実証を行った農業法人において、表1図1の機械を購入し(参考価格:約14,600,000円)、420a栽培したところ、平成14年のネギ経営収支は、10a当たり販売額が500,000円とやや低いものの、10a当たり経営費が400,000円以下になったことから所得が得られる(表4)。
5. 一連の機械を導入する場合、導入下限面積は約2ha、導入上限面積は根葉切り付き皮剥き機が制限要因となって約4haとなる(データ略)。

[成果の活用面・留意点]
1. 圃場作業機導入により圃場の前後に5mの枕地が必要となる。
2. 平成14年度のネギ単収は、夏季高温乾燥により1.9t/10a(平年2.1t/10a)とやや低い。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:転換畑に対応した高品質特産野菜の省力・低コスト生産技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:1999〜2003年度
研究担当者:西畑秀次、林 保則、松本浩二、向井和正、宮元史登、金森松夫、松本美枝子
発表論文等:西畑・松本・西村・林・金森(2003)園学雑72別2:178

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