「コシヒカリ新潟BL1〜6号」の奨励品種採用


[要約]
「コシヒカリ新潟BL1〜6号」は現地試験において諸特性が「コシヒカリ」と変わらず、混合栽培しても生育・品質・食味等は「コシヒカリ」と同じであり、新潟県で奨励品種として採用した。

[キーワード]イネ、コシヒカリ、同質遺伝子系統

[担当]新潟農総研・作物研究センター・育種科
[連絡先]電話 025-835-0047
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  近年米の消費動向は、良食味であるとともに来歴の明らかな種子の使用や安全・安心な低農薬米へのニーズが高まっている。一方、生産者サイドでは米の価格が低迷する中で、生産コストの一層の低減が必要である。そこで、コシヒカリいもち病抵抗性同質遺伝子系統(以下コシヒカリILと略記)を構成する「コシヒカリ新潟BL1〜6号」を新奨励品種とし、環境保全型農業の推進、生産コストの低減及び新潟県産米の評価向上を図る。

[成果の内容・特徴]
1. コシヒカリILを構成する「コシヒカリ新潟BL1〜6号」の出穂期、成熟期、形態、生育、玄米収量、品質、食味、食味関連成分等、いもち病抵抗性以外の諸特性は、現地においても「コシヒカリ」と同じである(表1)。
2. これらの品種を混合栽培した場合においても、出穂期、生育、品質、食味、食味関連成分などの特性は、「コシヒカリ」と同じである(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 普及地域は従来の「コシヒカリ」同様標高400m以下とする。
2. 「コシヒカリ新潟BL1〜6号」を混合するコシヒカリILの栽培特性は「コシヒカリ」と同様であるので、高品質米生産を最優先とし、“いもち病に強い”ことによる多肥栽培は厳に慎む。
3. コシヒカリILの種子は、いもち病菌のレース分布調査結果に基づいた割合で混合された原種を用いて、採種ほで生産された種子で供給する。自家採種ではいもち病菌レース分布によっては、いもち病の発生を助長することがあるので、毎年種子更新する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:水稲奨励品種決定調査事業
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:星豊一、長澤裕滋、浅井善広、佐藤徹、川上修、中嶋健一、阿部聖一、石崎和彦、重山博信、小林和幸、松井崇晃、河合由起子
発表論文等:コシヒカリ新潟BL1〜6号は品種登録済み

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