山間地向け高品質・良食味の水稲早生品種「とがおとめ」の育成


[要約]
「とがおとめ」は、山間地向け極早生粳種である。「はなひかり」よりやや短稈で、多収である。山間地において「はなひかり」より登熟の揃いが良く高品質・良食味品種である。

[キーワード]水稲品種、とがおとめ、山間地、多収、高品質、良食味

[担当]富山農技セ・農業試験場・作物課
[連絡先]電話 076-429-2114
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  「はなひかり」は、1979年に山間地限定の準奨励品種に採用されてから利賀村を中心とした山間地域で作付けされてきた。「はなひかり」は耐冷性に優れているものの、登熟の揃いが悪く、青未熟・白未熟粒の発生が多くなり、品質が悪いこと・食味も劣るなどの欠点があった。そこで、山間地域に適した高品質・良食味の品種が強く要望されていた。

[成果の内容・特徴]
1. 「とがおとめ」は、1991年夏に、「東北143号」(後の「ひとめぼれ」)を母に、「越南146号」(後の「ハナエチゼン」)を父として人工交配を行った後代から極早生で品質・食味の良い系統を中心に選抜した品種である。
2. 山間地において「はなひかり」より出穂期で1日程度、成熟期で4日程度早い極早生粳種である。稈長は「はなひかり」よりやや短く、耐倒伏性は「はなひかり」と同様に強い。「はなひかり」に比べ、穂数が多く、千粒重も大きく、収量が極めて高い。また、登熟の揃いが良く、高品質で良食味である。特に、食味官能値は「はなひかり」を大きく上回る(表1)。
3. 穂発芽性は、「やや難」である。いもち病真性抵抗性はPiiを保有していると推定され、葉いもち抵抗性は「中」、穂いもち抵抗性は「中」である。障害型耐冷性は、「フクヒカリ」の「弱」より強く、「はなひかり」の「やや強〜中」より若干弱い「中〜やや弱」である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 普及地域を利賀村を中心とした山間地域として、2003年12月に富山県の奨励品種に採用された。
2. 障害型耐冷性がやや弱いので、幼穂形成期以降の深水管理など障害型不稔発生を抑える対応が必要である。
3. いもち病の発生に注意し、防除を的確に行う。
4. 登熟期間の高温条件下では、玄米品質が低下するため、平坦地では作付けしない。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:水稲新品種育成試験、水稲奨励品種決定試験
予算区分:県単
研究期間:1991〜2003年度
研究担当者:表野元保、蛯谷武志、金田宏、木谷吉則、小島洋一朗、山本良孝、土肥正幸、石橋岳彦、向野尚幸、山口琢也、宝田研
発表論文等:種苗法に基づく品種登録出願中(2002年12月19日登録出願 第15323号、2003年9月8日出願公表)

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