Alternaria sp.によるスイゼンジナ(キンジソウ)黒斑病(新称)


[要約]
スイゼンジナ(キンジソウ)の葉の黒褐色円形壊死症状は糸状菌の一種Alternaria sp.によって発生する。病名としてスイゼンジナ黒斑病を提案する。

[キーワード]スイゼンジナ、キンジソウ、黒斑病、Alternaria sp.

[担当]石川農研・生産環境部・病理昆虫科
[連絡先]電話 076-257-6978
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
  石川県のスイゼンジナ(キンジソウ)の葉に黒褐色の壊死斑点を生ずる障害が発生し、可食部への被害のため著しい減収をもたらしている。その原因を明らかにし防除対策の参考とする。

[成果の内容・特徴]
1. 夏季高温時には発生が認められなかったが、9月下旬頃、下位葉に径2cm前後の黒褐色壊死斑が発生し、10月以降、発生が急激に拡大した(2003年)。
2. 病徴は、葉に径1〜2cm、ときに不明瞭な輪紋を有する黒褐色壊死斑を生じ(図1)、多発すると病斑間が褐色に壊死する。枯死葉は容易に離脱せず残存する。
3. 病斑部にはAlternaria属菌の分生子が形成される(図2)。有性世代は確認されていない。
4. 病斑部から分離したAlternaria属菌の菌叢を接種すると、有傷では、葉表・葉裏いずれへの接種でも病徴が再現される。無傷では葉裏への接種で容易に病徴を再現するが、葉表からの感染は稀である(図3)。病斑部から接種菌と同一の菌が再分離される。
5. 分離菌のPSA培地上での生育適温は24〜28℃(最適26℃)である。28℃より高温では生育が顕著に抑制され、40℃で死滅する。23℃以下の、より低温域では生育抑制の程度は低く、0℃においてもわずかに生育する(図4)。
6. 分離菌の分生子は、連鎖せず単生し、淡褐色〜褐色、倒棍棒状、縦横に隔壁を有し、大きさは、およそ49〜108μm×10〜20μm、ビーク長は20〜44μmであった。
7. 病名としてスイゼンジナ黒斑病を提案する。

[成果の活用面・留意点]
1. 本病害に有効な農薬登録の拡大に役立つ。
2. 本菌の種は同定中であり、宿主範囲、発生生態等について今後さらに検討を要する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:郷土野菜等の登録農薬拡大推進事業
予算区分:県単
研究期間:H15
研究担当者:森川千春

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