チューリップ新品種、花壇用「新潟1号」、促成切り花用「新潟2号」


[要約]
チューリップ「新潟1号」は、花色が白色から淡赤紫色に変化する花壇用の色変わり品種である。「新潟2号」は「メリーウィドー」の芽条変異選抜系で、促成切り花栽培において開花が早く、草丈が伸びる。

[キーワード]チューリップ、新品種、花壇、色変わり、促成切り花、新潟1号、新潟2号

[担当]新潟農総研・園研セ・育種科
[連絡先]電話0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 全国有数のチューリップ球根・切り花生産を誇る新潟県内の産地活性化のため、年内採花が可能な切り花用品種及び花色等に新規性のある花壇用品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
(1) 「新潟1号」は昭和62年にシングルレート群品種「ジョーゲット」を子房親、トライアンフ群品種「ホワイトドリーム」を花粉親として交配した。
 「新潟2号」は、新潟農総研園芸研究センター保存のトライアンフ群品種「メリーウィドー」から自然に芽条変異した個体の選抜系統である。
(2) 両系統とも平成6年に一次選抜、平成11年に育成系統として選抜した。平成11年から15年に特性検定を行った結果、優良と判断して育成を完了した。
2. 特性の概要
(1) 「新潟1号」
花色は白地に淡赤紫色の糸覆輪の花色から、淡赤紫色に変化していく。
一重咲きの品種で、露地開花期は4月中下旬の中生、観賞期間は対照のシングルレート群品種「シャーリー」より4日長い(表1)。
球根収量性は高く、主球の肥大性は良好である(表2)。
(2) 「新潟2号」
花色は「メリーウィドー」と同様の赤に白覆輪で、一重咲きの品種である。
促成切り花時の開花は「メリーウィドー」より4日程度早く、花丈は長い(表1)。
露地開花期は4月中旬の中生で、花丈は長く、観賞期間もやや長い(表1)。
球根収量性は「メリーウィドー」と同等である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 新潟県内のチューリップ生産地全域に適する。
2. 「新潟1号」は花壇用品種である。促成栽培には、花色の発現が悪く向かない。
3. 「新潟2号」の促成栽培時の球根冷蔵は、本冷温度5℃が適当である。
4. 球根の養成栽培では、多肥を避け、適切なかん水管理と適期収穫に努める。
5. 品種登録出願予定


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:にいがた園芸生産の牽引役となるオリジナル品種の開発と優良品種の選定
予算区分:県単
研究期間:1985年度〜
研究担当者名:宮嶋一郎、榎並 晃、中野太佳司、宮島利功、小泉 薫、小田切文朗

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